麻帆良大戦の戦況

まず、ここまで話が進むと、当初あった、この戦争の趣旨が曖昧になってしまうのでそこを押さえておきたい。
超の目的は魔法使い認識魔法の儀式を行う事だが、これは結構難易度が高い。世界樹の周辺六箇所にある魔力溜りポイントを押さえ、そこに復活させた鬼神6体を配置して魔力増幅装置として使い、巨大魔方陣を生成する必要がある。もし6体の鬼神による魔力増幅が絶対的に必要ならば、鬼神の一体だけ足止めするだけでも、この計画を挫くことが出来る。そういった意味では田中さん達にどんなに蹂躙されようとも、それほど問題はない。それより重要なのが鬼神の移動であり、これを押さえるべき学園結界こそ重要だったと思える。つまり作戦立案の当初において、メカ軍団の対処にばかり目が行き、学園結界の電脳セキュリティーについて全く省みなかった時点で、大きな誤りを犯していた事になる。つまり、学園結界を落とし、鬼神を復活移動させた所までは、なんとか超の思惑どおりになったと言える。
しかし、一般生徒達にロボ軍団を打ち減らされ、鬼神移動の陣地を確保出来ていないこの状態は、明らかに超にとって不利である。また、一般生徒らが戦争ごっこをしていると思いこんでくれる事、つまり、彼らを前にして、おおっぴらに魔法先生達が鬼神封印の作業を行えるということも、超に不利に働く。人を傷付けない様に機械制御された鬼神は元々戦力になりえない。こうなると簡単に鬼神は各個撃破されてしまう。その時点で計画は潰えるわけだ。
超は切り札とも言える龍宮隊長を繰り出し、さらには自分自身もその身を晒す。この状況では、最大戦力であるボスが出てでも相手の大戦力を各個撃破していくしかない。超陣営としては追い詰められた中での苦肉の決断といえるだろう。
しかし、背水の陣で出向いた超は、自らの特殊弾の性質をばらして、なおも余裕の表情。肩についている「ビット」は特殊弾発射銃なのだろうか。もしくは更なる特殊装置なのだろうか。「時間を操る」という反則技とも言える力を持った彼女は、例え一人でも無敵となりえる。明日菜の魔法無効化能力もここでは関係無いだろう。ここは、唯一対策があるらしいネギの登場が待たれる所だ。