時をかける少女

今さら見る。見たくても単館で入れず、見逃したのは真夏だった。それからずるずると今まで放置。後少しすればDVDも出るだろうが、やはり映画館で見たくて、なんとか見る。
面白かった。実に正当な細田守作品といった感じ。ただ、よりノスタルジックな雰囲気も持ち合わせているのは、やはり巨大な作品である大林版へのオマージュ的な意味合いもあるのだろう。とはいえ、緻密に作りこまれ、物語が一点に集約していく、というか、追い込まれて行く感じは、ただノスタルジーに酔うだけではない、現代的な細田守テイストでもあり、そのバランスが実に良かった。
タイムリープの設定は、当然の事ながら原作の設定をほぼ踏襲。つまりこれは、実際にはタイムトラベルの物語というよりも、人の記憶と心の物語と言った方が正しい。タイムトラベルものとしては科学的ではないが、それゆえに個人の心の問題が明確にされていて、物語として実に良い。また、この感覚は、正にエネルギーの有り余っている、まるで何十倍もの時を生きているかのような青春時代の感覚とも言える。そのタイムリープと青春物語という黄金ペアで形作れらた「時をかける少女」は、今後も廃れることなくリメイクされ続けるような気がする。
もっと語りたい事もあるが、ソフト化もまだなので自粛しよう。
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なんだか、岡崎律子の「Magie」が聞きたくなった。