千雨は世界の救世主だったのか

千雨は世界のファンタジー化を防ごうと、超の強制認識魔法阻止に努力した。しかし、その認識魔法は、ネギが超を破った事により既に内容が差し替わっていた。
「オイシイ所もっていきやがってぇ」と悔しがる千雨。しかし、そこに茶々丸が「千雨さんが一体を抑えていなければどうなっていたか」と慰めの言葉を掛ける。これは単なる慰めなのだろうか?
千雨は世界の救世主だったのか。それとも「くたびれ損」だったのか。
それを確認する為に、麻帆良学園上空における麻帆良大戦大将戦の推移を整理してみた。
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①ネギ対超、戦闘開始。ネギが対カシオペアの対応策をあえて説明する。
ハカセ仕上げの呪文詠唱に入る。この時点で、11分4秒後に呪文詠唱終了が決定。
③ネギ対超、さらに戦闘。その後ネギが超のカシオペアを打ち破る。その瞬間の映像が軍事研によって撮影。
④同時刻、鬼神の行動が鈍る。これはどうやら千雨達の活躍によるものだったらしい。
⑤超がさらに抵抗。ついには魔法まで行使する。この時点でネギと超は飛行船上を離れる。その為ハカセは二人の戦闘を確認出来ずに呪文詠唱を続けることになる。
⑥11分4秒をかけて呪文詠唱が完了。ハカセ茶々丸と連絡を取り合い、鬼神を押さえている千雨の抵抗をどの程度の時間で突破できるか確認する。
⑦ネギが超を打ち破る。認識魔法の内容差し替え条件を得る。
⑧その一瞬後、ハカセが認識魔法の発動キーを唱える。認識魔法発動。数分後には世界中の聖地との共鳴を開始する事になる。ネギは阻止しようとするが力尽き、超と共に落下。
ハカセ、落下する二人を助けに行こうとするも、差し替え条件によって認識魔法の内容差し替えが起こっている事実に気付き、驚愕する。
⑩その頃の千雨とビブリオン二人組、電脳世界で奮闘中。最後の鬼神の拘束が破られる。認識魔法の共振開始まで後47秒。
⑪最後の鬼神、魔法陣に到達。同時刻、千雨は茶々丸の防御を突破し学園結界を復活させる。消える鬼神達。
⑫認識魔法、世界との共鳴は無いものの効果を発動。これにより、麻帆良学園一帯に認識魔法がかけられたと思われる。しかしその内容は「世界に平和を」というものに差し替わっていた。
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⑥の場面は確認できてないので、あくまで想像によるもの。
普通に考えると、②の時点で呪文詠唱終了時間が決定していたので、④で活動を開始した千雨の活躍は魔法差し替えに影響を与えなかったはず。
しかし、もし⑥があったとすれば千雨の活躍は意味をなしてくる。これがあれば千雨は世界を救った事になり、もしなければ千雨の活躍にかかわらずネギが世界を救ったという事になる。
ネギま世界におけるほとんどの魔法は呪文詠唱と発動キーによって成り立っていて、その間にタイムラグがあってもおかしくない。
また、超の計画は全世界に認識魔法をかけることが目的なのだから、その前提である鬼神の魔方陣到達の動向をチェックするのは必然と思われる。
これらから、⑥の場面は確かにあったのではないかと思える。茶々丸の言葉からしても、千雨の活躍により強制魔法の内容が魔法バレから「世界平和」に差し替わった可能性はかなり高い。
実際の所、千雨は認識魔法の世界共振以前に学園結界を復活させていたので、どちらにしても世界共振が起きず世界に認識魔法がかかることは無かった。それは超の計画失敗を意味する。ネギの勝負にかかわらず世界は救われていたはずで、千雨の行動は2段構えの安全対策としても重要だったといえよう。
また、もしネギの決着が遅れ魔法差し替えが行われなかったとすると、千雨の行動で世界共振が行われなかったとしても麻帆良学園一帯にだけは魔法バレが生じ、大問題になっていただろう。そうなれば、ネギ達が本国に強制送還されるのは確実だ。(茶々丸の「どうなっていたか」とは、この事を意味していると思われる)
千雨は、ネギを強制送還から救ったという点でも、世界のファンタジー化を防いだという点でも、救世主だったのかもしれない。