これは私の「力」だもん(^^) 〜まき絵の場合〜

夕映と併せて、まき絵の魔法習得についても、ちょっと考えてみよう。

212時間目において、まき絵が灯火魔法を使っている。これは、読者を驚愕させる出来事だった。
まき絵が魔法の存在を知ったのは、あくまで魔法世界に来てからと推測される。「推測される」というもの、そもそも、彼女達が魔法を明確に認識している描写は、ここに至るまで全く無かったから。彼女達が魔法世界に放り出され、テンペテルラのオアシスで無事が確認されても、彼女達が魔法を認識している描写は無い。まあ、この魔法世界、魔法は一般的なもののはずなので、知らないでいるはずは無いのだが。
ともあれ、再登場して、魔法の存在を認識しているだけではなく、すでに使えるようになっていたまき絵に、読者が驚くのも無理は無い。特に、とても苦心して魔法を手に入れた、あの夕映と比較するとしたら。夕映・・・(T_T)。
で、実際にまき絵の魔法習得が本当に驚異的な物なのか、その習得速度について少し確認してみたい。(舅的な視点から。メラメラw)

  • 魔法発動までの期間

まず、夕映達が魔法の勉強を始めたのが、5月の中旬。そして、灯火魔法を実現させたのが麻帆良祭初日の6月中旬。ほぼ1ヶ月かかった事になる。この間、1日3時間魔法の勉強をしており、麻帆良祭初日として世界樹の魔力が高まった事により、やっと突発的な発動にこぎつけたらしい。
ついでにのどかはと言うと、夕映ほどの勉強をしているわけで無いだろうが、9月上旬頃、未だに魔法発動には至っていないと思われる。
対して、まき絵はというと、8月の中旬に魔法世界に来た直後に魔法を知ったとして、灯火魔法を発動させた現在は、おそらく9月中旬頃と思われる。つまり、ほぼ夕映と同じ、1ヶ月という期間で実現させた事になるだろう。
夕映が毎日3時間の勉強をしていたのに対して、まき絵がそこまで熱心に勉強をしているとは、到底思えないw。おそらく、この魔法発動は魔法世界という現実世界よりも魔力が充溢している世界だからこそ可能だったと思われる。
しかし、それでも少し気になる事がある。それは、のどかが未だに魔法発動出来ないらしいという事。もちろん個人差もあるだろうが、のどかもネギという先生に付き、エヴァの別荘という魔力の充溢した場所で修行を続けていたはずだ。まき絵がこの調子で出来るのならば、余程の事がない限り、灯火魔法程度は発動出来ていても良いのでは無いだろうか。そう考えると、のどかに大きな資質不足が無いとすれば、まき絵は、元々かなりの魔法の資質が有ったと考えても良いかもしれない。

  • 一つの「きっかけ」

そして、まき絵の資質の事を考えた時、思い出されるエピソードがある。
それは、桜通りの吸血鬼事件、エヴァの起こした事件だ。この時、最初にエヴァの犠牲になったのはまき絵だった。(16時間目)まき絵は、エヴァに咬まれ保護された後も、実は既に半吸血鬼化されており、エヴァの下僕として超人的な身体能力を発揮し、ネギを襲った。この事から、このエヴァの能力はかなり潜伏性のあるものだろう。もちろん、まき絵達は事件の後に治療された様だが、その後、まき絵に下僕だった時の記憶が少しだけ残っている事も確認されている。(56時間目)
そして、このエヴァの吸血鬼としての能力は、実際にはかなり魔法的な能力らしい。エヴァの魔力の大きさと真祖として吸血鬼の能力はほぼ同義といっても良いようだ。実際、ネギから見てもエヴァの行動は全て魔法によって計れるものであったし、まき絵の咬み傷からも魔力を感じていた。つまり、まき絵エヴァに操られ、半吸血鬼化されたという事は、一時的な魔法使いになっていたとも考えられるのだ。少なくとも、パクティオーの契約執行と同じ効果を与えられていたに違いない。それは、魔力のこもったエヴァの血を与えられて行う、より身体的なものだった可能性がある。この時の身体の変化がまき絵の魔力の器を刺激している可能性もあるだろう。この時のまき絵の適合性は、(記憶が残っていた事からも)エヴァの予想を超えていたと考えられるくらいなのだから。

  • 予め選ばれし者

まき絵は元々魔法に対する適合性が高かった。そして、それをエヴァによって刺激されていた。そんな彼女が魔力の充溢している魔法世界に長く滞在していて、気軽に魔法発動体を扱える状況でもあった。そう考えると、一般人の中で誰よりも早く魔法を発動させたらしいという事も納得が行くだろう。のどかは、魔法発動の最初のきっかけを掴みきれずにいるだけなのかも知れない。
また、「きっかけ」というのであれば、魔法への適合性があるかどうかは不明だが、魔法世界に来ている一般クラスメイト達は、まき絵と同じくエヴァに下僕にされた運動部達であり、同じ「きっかけ」を持っていると言える。(夏美を除く)もしかしたら、ゆーな、アキラ、亜子達も、その「きっかけ」が上手く作用する可能性があるだろう。そうなれば、近い将来、ネギパーティのメンバー増強がより本格的に行われる事になるかもしれない。
何はともあれ、まき絵はいとも簡単に魔法が使えるようになってしまった。夕映の様に、本当の自分自身の力と言えるほど、それを伸ばす事ができるのか。まき絵のこれからの成長に期待したいものだ。
追記
もしかしたら、ラブラブキッス大作戦の時の、偽キスも「きっかけ」に影響しているかもしれない。
少なくとも、木乃香には影響があったのだが、状況は若干違うので(ネギとほっぺにキスと偽ネギにキス)はっきりとは言えないが。