超に関する推理 その伍 「目的再考」

※その壱〜参は1月24日、四は3月1日
彼女が未来人だとして、前回の「正義と悪」、「力の論理」の発言とあわせて考えると、彼女の目的がかなり推測出来る。彼女の決意の固さから考えると、やはり彼女は過去を変える為に未来からやってきた可能性が強い。彼女の嫌いなもの「大国の世界一極支配」と魔法使い公開、そして魔法使い本国の存在から、未来の事を推測してみよう。
未来において、魔法使い本国は隠され続けている内にその勢力を拡大していった。そして裏からの世界への影響力を強め、ついには「大国の世界一極支配」と同じ状況になった。そしてそれを不満に思った一般人との「戦争」が勃発し、「憎悪の連鎖」が続く事になった。
超はそんな世界を正す為、過去にやってきた。後の悪の根源になる「魔法使い本国」をこの時点で世界に公開し、その脅威を取り除いてしまうのが目的。場合によっては魔女狩りの再現すら懸念される非情な行為だが、後のさらに大きな悲劇を食い止める為には必要な事と考えているのかもしれない。
しかし、この超の計画は、ネギま世界における今までの時間移動の原則「過去は変えられない」と矛盾している。そこで思い浮かぶのが、「謎の巨大機械」の存在である。超の過去への移動はあくまでカシオペア試作1号機(現在ネギ所有)だったとする。では「謎の巨大機械」の能力はなにか?それこそ「過去を変える能力」なのではないだろうか。この時空間そのものに影響を与える「歴史改竄能力」の動力源として膨大な魔力が必要であり、それが22年周期で訪れる世界樹の大発光なのだろう。
しかしこの場合、なぜこの時代をえらんでこれ程のリスクが有る計画を行っているのかという疑問が生まれてくる。では、それを解決する仮説として「実はこの計画は今回が初めてではなく、以前から続いている」というのはどうだろうか。
つまり、超は実はこの時代よりもさらに過去に遡っていて、以前から魔法使いの動向を見張っていた。ただし、もちろん彼女にも寿命があるので過去から未来に時間を飛びながらの監視だった。彼女が未来に行くのはカシオペア試作2号機。動力源は「歴史改竄機」と同じ世界樹の大発光。なので22年に一度しか表れる事が出来ない。魔力を貯められるのに、魔法先生に取り囲まれた時に1日しか跳べないくらいしか魔力が残っていなかったのは、このように使っているから。
そして、前回の大発光時、魔法使いの勢力が伸びている事を感じ計画を実行に移す。「歴史改竄機」の発動と併せて魔法使い社会に大打撃を与えるようとする。
実はそれこそが20年前に終結したという「大戦」の原因。やはり魔法使い公開を実行したのかもしれない。だから「魔法使い公開は悪」という概念が定着している。しかしそこにナギという英雄が現れて計画は失敗する。その後、情報操作によってその事実は闇に葬られている。
超自身は計画が成功したかどうかは、計画と同時に次への跳躍をするため判らない。なので計画が上手く行ったか調査する目的で、3年短く時間跳躍し、3年間の調査期間をとるつもりだった。しかし、計画が失敗していた事を知る。なお、今回の大発光が1年早いのは、超の存在をある程度把握した魔法使いが次回の計画を挫く為に早めたのかもしれない。しかし、運良く(悪く)3年間の余裕があったので超には再度実行する機会が巡ってきている。
こう考えると、超は正に大悪役といえる。言ってみれば「ロードス島」における「灰色の魔女」のようだ。
超は「家の事情」で退学しなくてはいけない、という。それは自分の計画によって家族の命運が変わってくるということかもしれない。だとすれば、どんなに大悪党と思われようとも、彼女は計画を進めていくのだろう。