魔法先生ネギま! 156時間目 みんなの力が世界を救う!

決戦の場は地上4000m。高山病が心配・・・、いやいや。「なんとかと煙は高い所が好き」というが、やはりラスボスはや高い所に居た方が見栄えがいい。「ありえざる未来」において地下120mの牢屋という「地獄」に落とされたネギが、決着をつける為に「天空」を目指すというダイナミズムは、やはり見ていてわくわくする。
物語は一つのエピソードが閉じる段階に入ってきているので、今回も色々な情報が出てきている。
まずは状況確認。ネギの行動は逐一公開され、未だイベントの一部となっている。既に戦況は二つに分裂していて、ただ超の計画阻止の為ならばネギの存在を一般生徒に教える必要は無いようにも思えるが朝倉は実況しつづけている。このシナリオはリアルタイムな状況から考えて朝倉のアドリブであろうが実に的確。ここまでくれば下手に隠すよりもイベントにとりこんで隠す方法論を押し通す方が安全、という判断をしながらのシナリオ作りは神懸り的といえる。彼女の記者能力の高さが明確に判るシーンだ。
ネギを阻止するのは黒天使のような茶々丸(妹)と群れなす田中さんの空戦タイプ。そしてそれを助けコタロー、刹那、明日菜。コタローは犬神を使役して空を駆け、刹那は自らの翼を使って、そして明日菜はなんと美空の箒に乗せられて。
犬神で空を飛べるのは驚きだが、刹那が人前で翼を見せる方がもっと驚き。彼女の中のコンプレックスが徐々になくなりつつある事の表れだろう。彼女はエヴァが指摘したとおり、髪や目の色も変えているのだろうか。お嬢様に危害が及んだ時に白髪紅眼となり、敵から白い悪魔として恐れられる姿を晒す、なんて時がくるのかも。
そしてさらに驚くのが美空の活躍。彼女が頑張っているなんて。これも目の前でココネを消されたからか。明日菜との気の置けない関係もあってなかなか良いペアと言える。それにしても、天才のネギにして上手く運べなかった明日菜をこんな上空まで持ち上げたという事は、結構彼女の魔法使いの才能は高いのかも。
その他、魔法先生魔法生徒も思い思いの方法で空中戦に参加。一様で無個性な田中さん(空)軍団に対して多様な魔法使いチームという形は、巨大な力に対する沢山の人の想いの結集という図式になる。そんな沢山の人たちの助けを感じしっかりと受けとめ、ネギは超との決戦の場へ向かう。そして遂に超との対面。
ここで、超の気になる発言。「同じ舞台にたった」というのはどういう意味なのか。一つには、ネギ自身も超の策略に引っかかり、いまや時間遡行者として歴史を改変する者になった、という意味があるだろう。しかし、超にあまりそのようなミニマムな発言をしてもらいたくは無い。超が2年以上をかけて行ってきた「過去を変える計画」は、ネギの「マギステルマギに成りたい」という個人的な夢とつりあってしまう程度のものなのだろうか。少なくとも彼女自身にとってはより偉大な計画であるとの自負をもっていて欲しいもの。もしくは、それ以上の意味があっての発言であって欲しい。
そしてもう一つ気になるのがハカセの唱えている呪文。呪文詠唱が出来るという事はハカセにも魔法使いとしての素質があるのか、という疑問もあるが、それよりも気になるのが呪文の中身。明らかに時間が関係する魔法のようだ。これこそ、もしや歴史を変える事が出来る魔法なのではないだろうか。
今までも言ってきたが、ネギまの世界の時間遡行では歴史は変えられない。つまり厳然たる時間の流れの中に世界があり、全ての事象は時間旅行も含めて固定されていた。しかし、それでは歴史は変えられない。時の流れよりもより大きな世界における時間移動によって、事象の変化を生じさせねば歴史改変は成らない。この呪文は、正に事象と時間の概念を覆す為のもののように思える。これまで、超の行う大魔法は「認識魔法」だけと思っていたが、実際にこのような「時間概念変更魔法」があれば、そちらの方こそ大掛りな魔法になるに違いない。地球上12箇所の聖地の他に、月との同期が必要なのも時間との関係を暗示している。超もしくはハカセからの説明を早く聞いてみたいものだ。