ネギま声優卒業の真意は?

赤松健の衝撃的すぎる発言のショックから逃れる為、冷静になろうとその発言の真意を色々考えてみる。(実際には熱くなりすぎて暴走気味です)
ネギま!」は今まで色んな展開をしてきたので、言葉の意味も色々ある。「ネギま!」と言えば、マンガ原作と第1期アニメ展開を含めた「ネギま!」全体を指す。「ネギま!?」と言えば、アニメ版「ネギま!?」から始まった第2期「ネギま」展開を指す。だから「ネギま!」と言った場合は「ネギま!?」の部分を含める場合もあるしそうでない場合もあるので、「ネギま!」のコンテンツ全体を指す場合は、「ネギま」と言った方が都合良い。赤松健がわざわざ「”ネギま”」と書いている以上、これが「ネギま!」と「ネギま!?」、つまり「ネギま」全体を指しているのは間違いない。言葉に敏感な赤松健が「アバウトに書いた」という事はちょっと考えられないだろう。
つぎに「アニメ版”ネギま”最後の声優イベント」はどういう意味か。ネギまイベントはこの後も存在する。「ネギPon!」イベントがそうだ。しかし、これはあくまで「ネギPon!」という商品のイベントなので、アニメ版”ネギま”のイベントでは無い、と言える。この言葉に矛盾は無いわけだ。
関連「大きいのはラストなんじゃないでしょうか」
http://blog.aipon.org/index.php?eid=138
そして「恐らく、声優さん達はこれで”ネギま”を卒業ということになると思います 」という言葉の意味。
ここでは「アニメ版」とは書かれていない。つまり赤松健は、アニメ版「ネギま!・!?」だけでは無く、「ネギま」声優がマンガの為のものだった頃からの、ネギま声優展開そのものからの卒業、といっているようだ。つまり「イベントとして最後」どころではない、という事になる。しかし、これも少しおかしな話だ。「ネギま」の展開としては、まだゲームなどが発売予定だし、ネギま声優の変更の予定も無いそうだ。
関連「ネギま!声優さんの変更は無いそうですよ」
http://justice1982.blog15.fc2.com/blog-entry-668.html
それらは一体どうなるのか。
ただ、この矛盾もある程度推測出来る。「卒業」という言葉はこの業界ではそれなりにアバウトだ。ネギまの「入学式」にしても、それ以前からオーディションがあっただろうし、歌の稽古もあったはずだ。ある意味その時から彼女達は「ネギま」声優だったとも言える。ネギま!の声優展開が開始され、「入学式」によって広く認知され、そして今回のイベントが「卒業」となる。つまり、事後処理はあるだろうが、このイベントを「卒業式」として広く認知してもらい、今後の「ネギま」の声優展開は停止予定、と言う事を赤松健が言っているのではないだろうか。
イベントの集客を図る為怪しげな事を書いた、という可能性もあるが、ここまで明確に書いて信用を落とす愚を、原作者自らがやるとは思い難い。また、赤松健が声優展開について詳しく知らない、という可能性も、イベントシナリオが最終決定するであろう1週間前というこのタイミングでは無さそうだ。それよりも、原作者の肩を持ちたい者としては、シナリオを見て「知ってしまったからこそ、その事実を伝えたい」と思った、という風に取ってしまう。「ネギま全体の声優展開が停止する」という事実を知った「ネギま」全体の原作者として、「『ネギま!?』からの卒業だよね」と信じているファンに対して、このまま中途半端に終わっていってしまう事が忍びなく、どうしてもその事実を伝えたい、と思ったのではないだろうか。
赤松健の発言ばかりにとらわれもしょうがないので、他の角度からも考えてみる。
冷静に考えてみると、今回の出来事は充分予測できる事でもある。なぜなら、アニメ制作等は当然声優コストも考慮しなければならないはずだからだ。
ネギま!の声優が決まったのは2003年の終わり頃。既に丸3年以上が経過している。良くは知らないが、声優のギャラは活動年数によって明確に決まっているらしい。つまり活動期間が長くなればなるほどギャラは膨れ上がっていく。元々新人や、新人同然だった声優もそれなりのギャラになっているはずだ。それが31人全員固定ともなれば、当然他の作品には無い苦労が出てくることになる。アニメ制作費の大半が声優のギャラ、なんて事にもなりかねない。(これは以前から危惧していた事。この日記内では「ネギま!?」の商品展開のがめつさを酷評してしまっているが、その裏では一種「後ろめたさ」も感じていた。ただ、そのような作り手の台所事情などを気にしだすと作品への感性が鈍るので、あえて無視していたが)
最初の公約、「声優は変えない」も、ここまで声優展開が続くことを想定していなかったという事なのかもしれない。そして、最新のメイン商品である「ネギま!?」DVDの売上げ。第1巻の実績で全体の利潤も想定できるのだろう。その結果、これ以上現在の声優を抱えて「ネギま!」の作品展開をする商業的メリットが無くなってしまった、という判断が出てしまったのかもしれない。「ネギパ!」7巻で「『ネギま!?』最後のイベント」と書いてあるのに対して、今回の急転直下の発言も、この数字によるもの、と推測する事ができる。(だから、小細工を弄した商品展開なんか考えるより先に、作品クオリティ重視の一点突破作戦にすべきだったのに…、と当ってるかも分からない事に抗議したり)
ネギま声優は、元々マンガ原作のファンである事から追いかけ始めた訳だが、これだけ長い期間ともなると思い入れも深い。「ネギま!?」でも、作品にはあまり興味はなかったが、声優さんだけは応援していたいと思っていた。そんな彼女達が卒業となれば、残念としか言い様がない。
これらの推測が間違っている事を願って、3月3日の発表結果を待ちたい。