アニメにおける「学園祭成功表現」の発見

まなびストレート!11話において、学園祭の中でライブが描かれていたが、これはやはり「ハルヒ」の影響だろう。学園祭の成功=ライブの成功という図式を取り入れている。
アニメ・漫画などで学園祭物語は幾つもあるが、今まで「学園祭そのもの」の成功、興奮を、実感を持てるまでに描けている作品があったかというと、結構微妙だ。永遠の学生時代を生きるオタクにとって学園祭物語こそ、ある意味一番の見せ場として期待したい所だろう。ところが、それが満足のいく表現で描かれている事は稀だ。例えば「それは想像の中で感じて欲しい」とばかりに、準備の部分だけを描くような物もある。よく使われるメインの出し物としては「演劇」などがあるが、そんな「劇中劇」をもって学園祭の興奮そのものを感じさせるは難しく、多くは上手く描けていなかったはずだ。
結局、これまでのオタクは自分自身が「ハレ」の時を感じる機会が少なかったのかもしれない。少なくとも多くの他人と感覚を共有する様な場面は大多数のオタクにとって少なかった。だから「学園祭の成功」という、ある意味オタクにとっても一番幸せな時間を、どこか絵空事の様に描いて(描けないで)きてしまっていた。
けれども、実はそんなオタクのシーンも、オタクの一般化とか、ネットによる情報量の拡大などで大きく変わってきている。アニオタのアイドルとしての声優がより一般化したり、オタクイベントがより活性化したりして、オタク自身が「イベント」を、「ライブ」を、「自分たちの」ハレの場として感じられる状態に知らない内になっていたのかもしれない。
そして、それを利用するという事を「ハルヒ」は発見した。学園祭の成功、興奮を代表させる表現として「ライブ」を描くという事を、初めてやって成功させた。
これはオタクにとって最大の関心事である「学園祭成功表現」の発見として、とても画期的なことだったのかもしれない。だからこそ、あのシーンは大きな衝撃としてオタク達に受けとめられ、「ハルヒ」という作品成功の大きな要素になったように思う。
これからも、この「学園祭の成功=ライブの成功」という図式は、使われていく可能性はあるだろう。
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ただ、これよりも進んだ、より大きな「学園祭成功表現」がある。既に表現されているものが。
それは漫画「ネギま!」における「戦争ごっこ」w。
学園祭を「祭」として全員が参加するこういったイベントこそ、究極的な「学園祭成功表現」だと思う。体験型ゲームが一般的ではないので、少し先行し過ぎのきらいもあるが、その点はネトゲの普及で感覚的に代替出来ているし。
なんにしても、だれかあれをなんとかアニメ映像化してくれないかなあ。