魔法先生ネギま! 351時間目 みんな、バイバイ!

いや、素晴らしいね。明日菜の悲劇的な旅立ちの演出が、これでもかとばかりに描かれている。
今回キーとなっているのは、木乃香。これは、ネギま本来の日常描写としての第2話との対比を前面に押し出しているからこそくるチョイスだろう。
木乃香は、本来泣かないキャラクターだ。涙を見せるのは喜びの時だけで、どんなに辛い時でも泣かない様心がける人格の持ち主として描かれている。それは、無意識的にも一族当主跡継ぎとしての矜持であろうし、その心がけが、皆の心を和ませる力にもなっていた。
その木乃香が、登場した時から既に涙を堪えた様子であり、その尋常でない様が、これから起こる悲劇を如実に物語っている。そして最後には、そんな木乃香が体面を憚らず号泣する。もう、これ以上は無いという、悲しい描写だ。
それから、柿崎との気の置けない関係描写も良い。柿崎は明日菜の旅立ちを知らないのだろうが、ここに至って、明日菜と柿崎の関係がクローズアップされるのがなんとも言えない。少し風来坊的なところがある明日菜と、女性として奔放に生きる柿崎とは、クラスメイトの中でも力関係として対等と言える存在同士だからだ。ふたりの当たり前のやりとりが涙を誘う。
そして、ネギとのやりとり。今までの時間をここで集約させるには、これしか無いと言える描き方だ。
・・・まあ、あまりに出来すぎで、これで終るはずがないという気持ちの方が強くなってくるのだが。そこが赤松ワールドの完全ハッピーエンド主義による、一種の弱点であり、強みでもある。
はてさて、次回からどのような展開になってくるのやら。やはり、いっそ時間を戻して、名簿に書かれていること全て描いて欲しいなあ。
PS
連日の付き合い酒の中で無理して書いたら、痛恨の記入ミスが!!ファンの人には申し訳ないというか、自分に謝れ!と憤りたい気分。