ネギまの気になる点を検証してみる(ネギまを途中で放り出してしまった人のための「あれってどうなったの?」改題) その4 魔法世界人編

  • 作られた人ってどういうこと?

魔法世界に住んでいる12億人の内、現実世界から来た6700万人の魔法使いを除いた人間、亜人間(純粋魔法世界人)は、実は魔法世界と同様に、始まりの魔法使いによって作られた存在でした。
魔法世界は一種の仮想世界ですから、この魔法世界人も仮想的な存在です。言ってみれば、MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)上のNPC(ノンプレーヤーキャラクター)と考えればよいでしょうか。始まりの魔法使い陣営では、彼らの事を「人形」と呼んでいました。
しかし彼ら魔法世界人には自我や普通の感情が有り、魔法世界に入った現実世界人からみても実体が感じられ、全く普通の人間との違いがありません。魔法世界の歴史は2600年と言われていますが、その間、現実世界人と共存していて、そのどちら側からも違いを認識できず今に至っています。おそらく、結婚し、子を成す事も可能であったのでは無いかと思われます。現実世界人の多くが、メガロメセンブリアを拠点として生活し、その他の魔法世界人は主にそれ以外に住んでいたらしいのですが、それにしても驚異的な事です。
魔法世界には、見た目が普通の人間の他にも、亜人間が多く暮らしています。その多くが純粋魔法世界人であるようですが、見た目が普通の人でも魔法世界人はいますし、また、亜人間でも、現実世界から来た亜人間も居なくは無いでしょうし、また、「魔族」と呼ばれる魔法世界人ではない亜人間も多く確認出来ます。つまり、見た目で魔法世界人なのか、そうでないのかは判断出来ないでしょう。
しかし、純粋魔法世界人は作られた人なので、彼らを作った始まりの魔法使いとその陣営の力には敵いません。始まりの魔法使いは、魔法世界を管理するための「鍵」を持っていますが、その鍵を使えば、彼ら魔法世界人の存在自体を簡単に消せてしまいます。消された人は、桜の花びらのように散ってしまい、跡形も残りません。読者にしてみれば、そうなって始めて魔法世界人であると認識出来るともいえます。
なお、そうやって消えてしまった魔法世界人も、鍵の力を使えば、消えた時と同じ状態で復活する事ができるようです。

  • 純粋魔法世界人は現実世界には来られないの?

彼ら純粋魔法世界人のもう一つの特性として、基本的に、魔法世界から出られないという事も挙げられます。
ただし、これについては例外があります。現実世界に来ていた美空のマスター、ココネは「帝国移民計画実験体18号」とされています。帝国とはおそらくヘラス帝国の事でしょう。ココネの浅黒い肌はヘラス人と同じものです。つまり、ヘラス帝国の一部では魔法世界人の真相を知り、現実世界への移民計画のため人体実験をしていたと考えられ、その成功例がココネのようです。後にラカンが現実世界に来れたのも、この技術を応用しているようです。
ところで、現実世界人と魔法世界人の判別が付け辛いことが、一つの重大な事と絡んできます。
前ウェスペルタティア王であるアリカの父は、どうやらこの魔法世界人の真相を知ってしまったがために世捨て人的な存在となり、始まりの魔法使い陣営(と思われる)に利用されていました。しかし、ウェスペルタティア王国は、元々始まりの魔法使いの血筋を引く現実世界人のはずです。それなのに、王は何故そこまで絶望したのでしょうか。
例えば、現実世界人と魔法世界人の間には子を成せるかもしれませんが、その子はどうなるでしょうか。もちろん、その子も魔法世界人、つまり幻想の存在となるでしょう。
もしかしたら、前王は自分、もしくはその家族がそうやって生まれた存在、つまり魔法世界人である事を知って絶望したのかもしれません。つまり、「アリカは純粋魔法世界人」である可能性があるのです。この可能性は、アリカが現実世界に来ている描写において、彼女自身も特別に実体化する必要がある様子だった事から、否定する要素が一つしかありません。つまり、アリカの子とされているネギが現実世界に来ている、という事です。
しかし、これについても、前回「その3」で書いたように、「ネギがアリカの子ではない」可能性もあります。
もしくは、アリカが魔法世界人であり、なおかつネギがアリカの子だとしても、一つの設定によって説明することが出来ます。ネギがココネと同じ技術によって現実世界に存在出来る魔法世界人である可能性があるかもしれません。つまり、ネギはココネと同じか、その完成系(ココネはヘラス人と思われるので、年齢不詳です)としての純粋魔法世界人実体化の成功例、などという可能性があります。ココネに用いられた技術の詳細が分らない(ラカンによれば、別に体を作るようです)為、その可能性が否定できないのです。ネギが最終的にマギアエレベアに取り込まれず、その体質によって奇跡的に不老不死の存在になったのも、この事があったからかもしれません。
魔法世界人が作られた人という設定は、主人公ネギの出生の秘密に絡むかもしれない重大な設定と言えます。