第2回初夏の流川祭り ディファ有明

ろこどるは不思議な作品だ。このアイドルアニメバブルの中において、決して派手な展開をしている訳では無い。案外地味な原作漫画があり、新人声優を連れてきて、実に淡々とアニメ化しただけ。新人声優達は結構勢いのある人たちばかりだからそこに注目される面はあるけど、アイドルアニメなのにメディアミックスなどでそれほど目立った動きがある訳でもない。
だものだから、決してBDの売り上げも派手では無い様だ。売れてないという訳では無いみたいだけれども、爆売れしたという訳でもない。ごく普通の成功程度なのかもしれない。
しかし、私も含めてだが、この作品に対してとても熱い想いを持っているファンが居るように思う。とても深く引き込まれてしまう。
その理由はやはり作品の出来の良さ。派手さは無いがとても丁寧な作りで、その展開もじんわりと深く沁みてくる良さがある。一度この作品の良さに触れれば、いくらでも応援したくなるような魅力がある。
それだけに、このイベントについてもかなりの思い入れを込めて参加した。何を置いても参加したい、くらいの感覚。
内容としては、とてもオーソドックスなもので、トーク有、クイズ有、ミニドラマ有、そしてキャラソンライブ有り。キャラソンライブは持ち歌全てを歌ってくれたようで、それだけでもこのイベントで出し惜しみはしてないだろうと思う。嬉しい内容だった。
しかし、ここに至るまでのこの「ろこどる」の展開には色々考えさせられる。この派手さの無い盛り上がりの中で、企業側のコンテンツ展開は熱い想いを持つファンとしては物足りなさを感じざるを得なかった。第1回のイベント会場の異様なほどの狭さとか、グッズ展開の品薄さとか。この第2回イベントでも人が集まるか心配とか言っていたし、結局イベントパンフやタオルは品切れを起こす始末。
やはり、この作品のファンの絶対数が決して爆発的に大きく無いという認識があるからこそ、どうしてもリスク削減の判断をしてしまうのだろう。
しかし、今の御時世、小さなコンテンツが次々と出てくる中で内容の薄い作品ばかりが多くなっている気がする。こんな状況でこそ、そのコンテンツの質を認識、評価する事が大切だと思う。質の良い作品だと、熱い想いを持つファンを作れる作品だという事を認識したら、そこにこそより大きな力を入れて作品展開をすべきではないだろうか。そうやって優良コンテンツを育てていくことこそが今求められている様に思う。
ろこどるも一応の評価を得たらしく、次の展開としてOVA制作が決まったとの事。ただ、これはまだ及び腰の中での決定の様にも思う。もっと積極的に、幅広いメディアミックスを展開して次のアニメまでの盛り上げをしていって欲しいものだ。