「Angel Beats!」が面白い

なんだか、ネット上では賛否両論というか、悪評の方が強い感じだけれども、どうなのだろう。
自分はとっても面白くて、見ていてワクワクしたのだが。ヤバイ、感性が世間とずれてきている?(^^;
第一話見て気付いたAngel Beats!の面白さは、大きく分けて二つ。
一つは、「優越感」。これはエンターティメントで結構良くあるもの。主人公達が特別な力を持って、特別な立場を得る。戦線への参加者は「死んでいる」という代償と引き換えに、絶対に死なないという力と、自分達だけが「意志を持っている」という、ある意味絶対的な優越感を持つことが出来る。他の生徒はNPCであり意志を持たない。この死後の世界で意志を持っているのは自分達だけ。ただ、唯一の障害は天使であり、おそらくはそれを派遣しているであろう、この世界の創造者そのもの。つまり、彼らは世界と戦う使命を持った戦士という立場を与えられている。それもまた一つの優越感と言える。
で、もう一つ優れているのが、「安心感」。これは結構珍しい設定。「世界と戦う使命」を持つ彼らには、ごく普通の生活を「してはいけない」という強制力が働いている。普通の学生生活をすると消えてしまう。これは本来一種の「不安感」であるけれども、特殊な状況に置かれ、超常の使命を与えられた時には「安心感」に裏返る。世界に刃向かい続けなければならない、自分達はそういった特別な存在になった、という立場で見ると、そういう強制力こそが、彼らの存在意義になる。バンド演奏をして、天使と銃撃戦をして、バカらしい作戦を実行に移す。そんなバカらしい生活を強制させられているという「安心感」。これは、毎日四角四面の学生生活を送らなくてはならないという強制をさせられている「現実」の裏返しといえる。四角四面の学生生活を真面目に送っても、その後社会に出て行くときには誰も助けてくれない(かもしれない)というバカらしい現実社会。ならば、この死後の世界=空想の世界くらいはその真逆の立場を与えて欲しいという願望を充たしている。ここまでストレートに願望充実に対する安心感を与えている作品は、本当に珍しいと思える。
この後、彼ら「戦線」の目的が「現実を逸脱し続ける事によって自身の存在を長引かせる」という事を数話かけて描いていけば、それだけでも充分面白さが伝わってくるのでは無いだろうか。
ただ、その「死後の世界の存在を長引かせる事」にどれだけの意味があるのか、という観点からこの世界成立の謎にまで持っていければ、今までの原作者の「人生とはなんぞや」というテーマにも深く突っ込んでいけそうな気がする。
とにかく、「Angel Beats!」は面白い。変かな。(^^;
・・・
それにしても、バンド演奏に心惹かれている間に食券巻き上げられているNPCって、ニコ動とかアニオタイベントに引っかかり続けているキモオタの俺そのものだよね。すっかりNPCになっちゃっているよなあ。(^^;
こういう「痛い」ところも、ダーマエ的。あまりに最初から、それも間接的に描いているから、その雰囲気を嫌われて評価悪いという事もあったりして。
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