ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]

死と絶望と狂気に取りつかれた人間の心理の推移が克明に描かれていてすばらしかった。
戦闘シーンはほとんどなく、あるのは絶え間無く続く砲弾の音だけだが、戦争の必然である滅亡だけを描き、人間の愚かさを描ききっているという点において、完璧な戦争映画と言える。また、舞台となる地下要塞という狭い空間に、歴史上の人物が入れ替わり立ち代り現れることで外の広大な戦場を想像させ、見るものを飽きさせないという点でも、すばらしいスペクタクル映画だった。キャストとしては、ヒトラーヒトラーそのもので良かったが、なによりゲッべルスがイメージしていたゲッべルス以上にゲッべルスですばらしかった。