[アニメ]うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 1984/2

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

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言わずと知れた「オタク」アニメの傑作。奇才押井守を世に知らしめた作品。
この世に「オタク」という存在が蔓延りだしたのはいつからかというと、その語源から「マクロス」あたりなのでは、と言われているが、実際には、結局の所「うる星やつら」の影響の方が大きいだろう。この巨大なシリーズの影響力は、現在に至るまでごく当たり前に確認することが出来る。
「全てのオタクは、ラムの胎から生まれた」
というのが私の持論だ。 
そんなシリーズの象徴ともいえる「ビューティフル・ドリーマー」は、見たものに非常に大きな影響力を与えたはずだ。
学園祭前日という「楽園」。それが永遠に繰り返すというモラトリアム。楽園の繰り返しは、疲れた心の作り出す偽りの記憶、デジャブにつながる。この作品を見た時、アニメオタクは激しく忙しい学園祭前日と、死ぬほど忙しいと云われるアニメ製作現場を重ね、その楽園が続く世界であるかのように錯覚する。実際の学園祭は終わる。学園生活自体も終わる。しかし、楽園を持続させる事は出来る。それは、その楽園を夢見させたアニメに想いを繋ぎとめていく事。アニメ業界、つまり楽園そのものに入っていく事。
この作品を見たことにより人生を変えた人間はどれくらいいるだろう。今現在アニメ業界にいる中堅で、この作品に影響を受けたという人間の割合は?
TV「涼宮ハルヒの憂鬱」の中に「純喫茶 第三帝国」のポスターを見る時、その影響力を改めて感じざるをえない。