綾瀬夕映について その一 「もるです」から考える身体的特徴

綾瀬夕映は、数多いネギまキャラクターの中でも、とりわけ現実味の強いキャラクターように思える。それというのも夕映という人間を特徴付けるキーワードが、他のキャラクターよりも多く提示されているからに他ならない。そんなキーワードの中でも特に印象的なものが「もるです」というセリフで話題(w)となった「尿意が近い」という特徴だろう。普通、女の子キャラクター造形において、このような下ネタ的な特徴づけはほとんどありえない。それにも係わらず、夕映はこのような設定を持つ事によって、生身としての人間味を深めていると言える。
しかし、この「尿意が近い」という特徴、少し真剣に考えてみると、一寸気になる事がある。
夕映のこの特徴と対をなすキーワードとして「変な飲み物をいつも飲んでいる」というものがある。ここでは「変な飲み物」については特に触れない。問題は「いつも飲み物を飲んでいる」という事である。つまり夕映の特徴は「多飲多尿」なのである。そこでどうしても思い浮かんでくるのが、病気の心配である。つまり夕映の「多飲多尿」に病的なものはないか、ということである。
(医学の専門では無いので、ここから先は眉唾で読んでほしい。)
「多飲多尿」は、実は幾つかの病気の症状として現れることがある。心因性、糖尿病、ホルモン不全等。そして、夕映の場合、これを病気として扱った時、彼女の身体的特徴としてもう一つのキーワードが浮かび上がってくる。それは「発育不足」である。彼女の発育不足は結構顕著である。中学3年生にして二次性徴を迎えているのかも定かで無いように見える。もしかすると、彼女の場合、成長ホルモン分泌不全があるのではないか、という疑いがある。というのも、「多飲多尿」の内、「中枢性尿崩症」とは「抗利尿ホルモン」欠乏によるものであり、これと「成長ホルモン」は同じ「下垂体」から分泌されている。つまり両方のホルモンが共通して不足しているとして「下垂体機能不全」の疑いが強いのだ。もちろん、これはしっかりした検査をしないとはっきりとした事は判らないが、場合によっては脳腫瘍や感染症による下垂体機能不全である「シモンズ病」などもある。また、成長ホルモン不全の場合、早期に対策をとらないと後の成長にも影響を及ぼす。もしネギのように夕映の先生の立場だったら、診断を受ける事を保護者に勧めたいものだ。
なにはともあれ、この「多飲多尿」「発育不足」は、推測するに彼女の幼少の頃からの特徴であろう。(この推測の根拠については後述。だとすると先天性の可能性が高いか。)これらが示す外見的印象は「子供っぽい」という事。しかし、これらが仮に病的なものであったとしても、知能に対しては影響は無い。つまり人からは子供っぽく見られても、知能として正常というギャップが生まれることになる。この事が、彼女の内面にどの様な影響を与えたのか、次章ではその点から語ってみたい。