ネギま!?neo エピソード0

ボンボン10月号増刊「アブラカダブラ」掲載。藤真拓也作、原作:赤松健、監修:シャフト。
この物語が一体どういう立ち位置なのか、悩むところ。
まず、再アニメ化「ネギま!?」があり、それは原作と大きく違う作品になるとのこと。そしてこのマンガ化「ネギま!?neo」は、題からするとアニメ「ネギま!?」のコミカライズと思われる。つまり、原作との整合性を意識する必要は無いはずだ。しかし、原作にも無い日本に来る前のエピソードをあえて描いていて、どことなく、原作へ繋がるような作りも意識している様に思える。一体どっちなのだろう。
しかし、もし原作に繋がる話だとしたら、この物語には大きな矛盾点が存在する。それは、物語の核とも言える「魔法学校の卒業試験」そのもの。試験の内容はモンスターを倒すというもの。ネギは、高レベルの攻撃魔法をつかってなんとかモンスターを倒し、それはそれで物語として盛りあがっているが、これは絶対におかしい。なぜならば、ネギの持つ高レベル攻撃魔法は、学校側に隠れて独自に身に付けた魔法だから。ネギが学校から教わった攻撃魔法は最初級攻撃魔法「魔法の射手」と「武装解除」だけ。それなのに、それよりも数段高度な攻撃魔法「雷の暴風」でないと倒せないモンスターと戦わせるなど、生徒を殺そうとしているようなものだ。実際の所、本来の魔法学校とは、試験に戦闘をさせるような攻撃的なものではないのだろう。
あともう一歩、例えば、なにかの陰謀が働いていたとか、ちょっとした手違いがあったとか、魔法力に見合った試験が自動的に選択された、とかの描写があり、それがもう一つの危機感になっていれば、原作とも繋がるし、より面白くもなったのだろうが、そこまでの描き込みは無い。
やはり、こちらの作品はかなり気を抜いて読まないといけないようだ。