危機的世界を救う法

魔法世界は現実にある火星を触媒にした人造異界であるという。
この世界は、人造異界であるが故に、崩壊する事が運命付けられている。
フェイト一味は、それをどうにかすべく暗躍しているようだが、その目的は謎。崩壊する事が決定しているのに、なぜ、その崩壊を早めるような行動を取っているのだろうか。
ただ、その行動から察するに、魔法世界の崩壊はすぐにでも起きる悲劇と考えてよいだろう。
主人公であるネギは、それを知った時どう行動すべきか。
魔法世界の住人は、もしかしたら人工的に作られた存在かもしれない。フェイトはそれを排除する事で世界を救おうとしているようだ。しかし、心を通わす事ができる存在である彼らを、ネギは見捨てるべきでは無いだろう。
主人公であるネギがすべき事は、魔法世界の住人「全て」が平和に暮らせる世界を維持する事。その解決策を見つける事が、ネギまの物語の進むべき方向性だろう。
一つの方法は、「移住」だ。魔法世界が滅びるのならば、そこから逃げ出せばよい。魔法世界の住人を現実世界に招き入れる事が考えられる。
しかし、この解決法には色々と問題が有る。当然の話だが、これは難民問題になるからだ。魔法世界の住人6億の人間が故郷を失い、現実世界の人々が6億の難民を受け入れる必要がある。・・・戦争が起きても全く不思議ではない状況だ。どう考えても、あまり正しい救い方とは思えない。
超のやっていた事が、実はこの難民受け入れをスムーズに進ませる計画だった、という推測があったが、あまりにシビアな展開になりそうな気がする。少なくとも、ネギが世界を救うという話には成りづらい。
では、他に方法が無いのか?
真っ先に思いつくのが、異界が崩壊するのならば異界では無くすればよい、という事。つまり魔法世界が火星を触媒にしているのならば、魔法世界が現実の火星にそのまま移ってしまえばよい。
主人公ネギの最大の力は、魔法開発力。その力を生かして世界を救うのだとすれば、そのくらいの離れ業をネギが行っても良いだろう。
ただ、問題は有る。現実世界の火星は、そのままでは人の住める世界では無い。いくらネギでも、無限に魔力があるわけではないのだから、異界ではない現実世界の維持の為に魔法を使い続ける事は不可能だろう。
火星と、人が住む地球の違いは何だろうか。
一つは重力。これが地球の1/3程度の火星は、大気を維持しておく事ができないし、低重力は人体にも悪影響を及ぼす。
次に太陽。火星は地球よりも太陽から遠い為、太陽のエネルギーは半分くらいしか届かない。
そして、磁気圏。目に見えない力だが、これが無いと宇宙からの放射線を防ぐ事が出来ず、生命にとって非常に厳しい環境となる。
この三つをどうにか出来れば、例えば、魔法世界がいきなり現実世界の火星に現れても、その生活圏を維持できるだろう。一年の長さは約2倍になるが、季節もある地球に良く似た環境となりえる。
逆に考えれば、これらのテラフォーミングがなされていないと、魔法世界は維持できないのだ。
超は言った。100年後には火星は人が住めるようになっていると。それは現実世界の火星のテラフォーミングが完了したという事では無いだろうか。
今のままの科学の進歩では、100年後の火星のテラフォーミングなど夢のまた夢だろう。しかし、超がもたらしハカセが引き継いだ未来科学と、魔法世界の魔法科学を持ってすれば、それは可能かもしれない。
しかし、それはやはり「現在の」火星ではないのだ。どうしてもそこに100年というタイムラグが有る。これをどうにかして6億の人たちを助けるのに必要となるのは、やはりタイムマシン技術だろう。
魔法世界の異界が「現在の火星」を触媒にした異界なのかという事も含めて、やはりタイムマシンが魔法世界を救うキーになるように思える。
・・・案外、今姿を消しているナギは、一人現実世界の火星でテラフォーミングの作業を行っているとか? あまりイメージじゃないよなあ。