坂本真綾 15周年記念LIVE「Gift」 日本武道館

crow22010-03-31

ひどい日程だ。年度末日なんて行ける筈が無い・・・とか思っていたら、何故だが時間がとれてしまった。こうなったら行くしかない。
このライブ、やはり15周年記念という事で、それなりに特別なものなのだろう。けれどもそれ以前に、坂本真綾のライブ自体全く行けていない。昨年のツアーが珍しいくらいで、彼女のライブはかなりレアだ。以前参加したのはもう6年も前か。小さなイベントとか菅野、マクロスFの時にちらちら見たくらいで、「坂本真綾のライブ」というのは本当に久しぶりだ。
久しぶりに見た感想は「本当に上手くなったなあ」。元々彼女は声もセンスも技量も一流品だが、それでも以前見た頃(「たなぼた3」か)、年一でしかライブをしていなかった時とは雲泥の差だ。やはり、上手いと感じさせるのは技量とかではなく、経験だったり、人間性だったりするのだろう。それによって細部まで神経が行き渡り、カリスマのようなものが滲み出てくるのかもしれない。
そして、この日は彼女にとって30歳の誕生日。その彼女の着ているのは大道寺知世が泣いて喜ぶような、気ぐるみにも近い可愛らしい衣装だったり。「あたしをあげる」的な赤いリボンで結ばれたプレゼントケースを模した衣装だったり、「お嫁にいけなくてもいいもん」的なウェディングドレス風だったり、生足披露の燕尾服風だったり。以前の彼女は可愛いと言われるのを恐れていたかのような印象だっだけれども、今は女性として可愛くなっているのか、そんな衣装もとても良く似合う。
で、歌われるのは、1日限りの特別なライブの為に選りすぐられた楽曲達。
もちろん、坂本真綾のアーティスト活動として重要な曲もあるけれども、アニメソングとしても超重要な曲が揃っている。坂本真綾は、所謂アニメ声優としてよりも半分アーティスト的な立ち位置にいる様にも思うけれども、それでも、これだけアニメに係わる素晴らしい楽曲を残し続けているというのは、やはり凄い事だ。アニオタの自分としては、その綺羅星の如く並ぶ魅力的な楽曲に翻弄され、息も絶え絶えと言ったところ。更には、菅野よう子も特別ゲストで登場し、菅野関連メドレーで会場を大いに沸かしたり。
アンコール時、最新曲であり自身初の作曲である「everywhere」について語っていたが、彼女の優れたセンスの出所をなんとなく感じる事ができた。そんな彼女だからこそ、15年もの間、第一線でその魅力を保ち続けられるのだろう。
ともあれ喜ばしい事は、かぜよみツアー以降の彼女はどこか「突き抜けた」感覚があり、アーティストである事に加えてエンターティナーとしての意識も強く持ち始めているように感じる事だ。今後も、この様な機会を多く作ってくれることが期待でき、そうなってくれる事を強く願っている。