高垣彩陽コンサート「Memoria×Melodia(メモリア メロディーア)」 東京国際フォーラムA

高垣彩陽の記念すべきファーストソロコンサート。いや、CDデビュー前にもキャラソンでソロイベントとか、レインボー(正式にはこちらがファーストとなっている)とかもあったけれども、やはり自身の歌で、自身単独で成立させたコンサートと言う意味では、やはりこのイベントこそがファーストだろう。それが、この国際フォーラムの大舞台だというのだから、なんとも喜ばしいことだ。
個人的に高垣のイベントへの参加はというと、決して多くは無い。初めてイベントで見たのは2007年のTAFのVVVイベントで、これは確か高垣の始めてのイベントだったと思うが、隣の茅原に比べてとても初々しい感じだった。その後、TBSアニフェスとかでありえないほど丁寧な人だとか、人柄について把握していけたのだけれども、彼女の歌については結構長い間知らずにいた。
彼女の歌を始めて聴けたのは1年半後のミュージックレインのイベントだったか。この時、まあ、今となっては伝説的なAmazing Graceを聴いたわけだけれども、それでもまだ彼女の歌唱力については「声楽をしていたのならば、このくらいの芸当は出来るだろう」程度しか認識していなかった。その後、スフィアの活動を開始した後も結構軽く見ていた。そんな認識しか出来ない程に、彼女のソロの歌に触れる機会がなかったし、彼女自身が控えめな性格過ぎた。
しかし、スフィアの歌を聴いているうちに、彼女の歌が単に声楽だけでは無い事が判ってくる。なんか、凄い声出している人が居る。結局、その認識を決定付けたのは、去年のリスアニだっただろう。声楽の声量や音域のみならず、恐るべき歌い回しのテクニックを持っている。素人からみても、化物並みの歌唱力の持ち主だと、この時やっと把握した。
なんと、始めて彼女を知ってからここまで丸3年半経っている。その隠し玉の大きさからすると、お前の耳は破れ障子か!との誹りは免れないだろうw。
おそらく、女性声優の中でも飛びぬけた歌唱力、それも歴代随一としても良いくらいの能力を彼女は持っているのでは無いだろうか。比べて申し訳ないが、パフォーマンス力を除いたら水樹奈々と同等か、下手をすればそれ以上の能力かもしれない。
時間はかかったが、今ではそんな認識に到っていたので、彼女の歌に対しては、それはもうソロライブの機会を大いに心待ちにしていた。
それに、彼女のライブにはもう一つ、大きく期待していることがある。それは、彼女のキャラソンを大切にする気持ち。彼女は事有る毎にキャラソンの大切さを語ってくれるし、自身のオリジナルソングを差し置いてもキャラソンを歌ってくれる姿勢を崩さない。これは、なによりアニメファンとして声優に接する者としては、ありがたいとしか言いようが無い。
そして、今回のコンサートは、そんなこちらの期待を完璧に充たしてくれるものだった。
アニメ主題歌になっているオリジナルソング、彼女の歌唱力の極限(?)が聴ける洋楽系のカバー、そして自身の持ちキャラのキャラソン、さらにはアニソンのカバーとして「あんなに一緒だったのに」まで歌ってくれたりして。彼女のオリジナルソングが決して多くない事もあっただろうが、私にとっては実にありがたいセットリストだった。
・・・ある意味、彼女は「歌唱力」という有益な能力を秘めた最終兵器だ。その力により人気声優の頂点を極めた存在も居る。もちろん、それを有効に扱うのは非常に難しいだろうけれども、それでも、その能力を今以上に発揮できる機会が彼女に与えられて欲しいと強く願う。一体、彼女にこの後何が出来て、どこまで行けるのだろうか。とても楽しみだ。

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