竹達彩奈 “apple symphony” the Birthday TOKYO DOME CITY HALL

初のフルソロライブ開催記念と言う事で、竹達の事について思い返してみる。
彼女の事を認識したのは、やはり「けいおん」だったかな。認識してすぐ、これはやばい、イベントで見る事も難しくなるスター性を秘めているかもしれないと、すぐさま「キスシス」のイベントに行ったものだ。
その認識は半分当たり、半分外れていた。声も容姿もピカイチ。けれども本人がどうものんびりしている。自身がオタクらしく、状況は十分理解しているようなのに、どこか抜けたところがある。イベントのトークなどでも、どこか上滑りな感じが否めない。彼女自身にデビューの意欲があるのか握手会の時に聞いたこともあるが、その時は気配すら見せていなかったものだ。
しかし、与えられた立場は結構しっかりこなしていくし、そうしている内に妹キャラ声優としての地位を盤石のものにしていった。ある程度オタクキャラを定着させてからは、トークにも味が出てきた。
彼女が「けいおん」でブレイクしてからソロデビューするまで約3年。そして、このソロライブに辿り着くまでさらに1年。その時間のかけ方は、私としては後1年早ければ良いのにと思っているのだけれども、竹達彩奈本人としてみれば、絶対に必要な時間だったのかもしれない。
やはり、アイドル・アーティストにとって最も重要なのは「動機」。それも、その動機をしっかりと形にして、言葉にして伝える技術が必要。一昔前の彼女は、自身の心を的確な言葉にして伝えると言う事の大切さを、多分理解し切れていなかったように思う。
しかし、今は違う。ちゃんと言葉にして伝える。それはその場にいるファンに対する感謝であったり、自分がずっと心に秘めている形にならない想いだったり。それをこうした大きなステージで、ちゃんと相手に分かるよう伝えるのは決して簡単な事では無い。
しかし、この日の竹達彩奈はそれが出来ていた。この日は初めてのライブの日であると同時に、誕生日でもある。彼女の為にあらゆるサプライズが用意され、決してシナリオ通りではない、シナリオすらないステージが展開する。サプライズゲストから、観客席からの厚意に晒され、自分の心の内にある熱い想いを一生懸命に表現する彼女は、実に感動的だった。
竹達彩奈は、未だまだどこかぼんやりしているところがあるようにも思う。けれども、それが故に彼女のアイドルとしてのポテンシャルはまだまだ底が見えないと思える。彼女に意志があれば、まだまだ上が望めそうに思えるし、是非今後もチャレンジし続けて欲しいものだ。