2016年アニメ系イベント参加雑感〜アニメソフトの価値を凋落させたイベント抽選券〜

毎年このブログでアニメ系イベントに参加した感想の総括を書いているの思い出した。今年も一応書いておこう。
実際のところ、最近は思うようにイベントに参加出来ていない。個人的な事情で土日があまり自由になってないのが最大の原因。けど、それに匹敵するくらいにイベントの数が多すぎて、また各々が主催者の戦略的にか被る事も多くて行けないという事もある。
そして、最近の傾向としてイベントの人気が一極に集中して、チケットが非常に取り辛いという事もある。
その昔であれば、少なくとも年数回ある「マストイベント」と思えるイベントにはある程度事前準備をすれば漏れなく参加出来ていた実感があるのだけれども、今となっては相当な無茶をしないと無理であり、基本的には平和的に行けるイベントだけ行ければ良い性分なので、完全に諦めモードになってしまっている。
いや実際、ソフト数枚買って抽選申し込むとか、到底無理。お金の問題じゃなくて、その商品に対する冒涜の様に感じてしまう。売り手のプロデューサークラスは幾らでも買ってもらえれば良いと思っているのかもしれないけれども、儲けが出るのは一瞬で、そういった無理で無駄な行為が巡り巡って携わっているアーティストの価値を下げてしまうと思うから。
イベントチケット購入抽選券付ソフト。
これは一瞬のブームを何度も繰り返してきたアイドル文化に生まれた極北的なシステムの導入だと思うけれども、アニメの様に技術も手間もかかる文化がそんな一瞬の利益を得る為のシステムを導入して本当に大丈夫か?と思う。
今、アニメソフトの本数が出なくなってきているけれども、それも当然だと思う。一部のソフトに抽選券が付き、それをチケットダフ屋も含めた大人数が購入して不要となったソフトは中古屋等で適当に処分されていく。手間暇かけた筈のアニメソフトが外れ抽選券として単なる紙屑同然にしか認識されなくなる。
日本で市販されているアニメソフトは結構高額だ。それは今までアニメソフトそのものに価値があるものとして、コレクション性があったから。
そんなアニメソフトのコレクション性を、自分達が売っている商品の価値を、業界自らが落としているようなものだ。抽選の価値がなければ誰も買わなくなるのは当然というものだ。
イベントの隆盛はそれに大いに参加して楽しんできた者としてとても嬉しかったけれども、その盛り上がりの果てに、無理をしなければイベントに参加出来ない上に、本元であるアニメソフトの売り上げ不振につながるという状況を見るにつけ、その歪んだ状態を憂慮せざるを得ない。
本当にどうにか健全な状態に戻って欲しいよ。
単なる一ファンとしては、今まで通り当たり前の様にソフトを購入し、手に入るチケットでイベントを見に行き、無茶で無謀で気が狂ったような暴利主義のイベントは無かったこととしてやり過ごすしかないと思っている。
今のアニメ系イベントの隆盛は本当に嬉しい事だ。それらに長く参加してきた者としては、何時しか単に楽しむ為だけに参加するのではなく、より全体を見渡せるような重要なイベントには欠かさず参加したい、という心持ちにもなってきていた。オタクとして一寸した「通」気分を味わうために。
けれども、それも今の状況では到底無理。元々ダラけオタクなので、気楽に行けるものだけに絞ろうと思う。つまりは今迄と同じにという事だけれども。
ただ、自分の手の中に納まっていると思っていたものが、何時の間にやら手の届かないものになってしまっているというのは、なんとも寂しいものだ。