2016年アニメ系イベント参加雑感 その2 〜μ’sのラストとキングの蠢動と〜

前回調子に乗ってイベント界隈の批判書くのに終始してしまったので、今回こそ内容について感じたことを書きたい。
やはり2016年のアニメ系イベントで大きかったのはμ’sのラストライブだろう。
この東京ドームでの2夜連続イベントは、アニメ系ではかの水樹奈々が実行しているけれども、その観客動員数は全世界のライブビューイングも含めると軽く20万を超えるらしい。恐らく史上最大規模のアニメ系イベントであり、これは全世界的な記録と言えるかもしれない。
このイベントにおける大きな衝撃は、やはり後のイベントにも深く影響していると思える。
一つにはラブライバーと呼ばれるアニメイベントにおける礼儀を知らない無法者が現れたこと。そしてそういった存在の大方はμ’sラストと共に消えていったのだけれども、時折イベントに表れては想像を超えた悪事をしているように思う。アニサマの虫騒動とか、へごちん流星事件とか。おそらくそういったラブライブで暴れる場所を誤認識した者達の行為であったのだろうと思える。これが何時止むか憂慮せざるを得ない。
良い面としては、大スターと言えるアーティスト声優が多く生まれたことだろうか。みもりん、うっちー、ナンジョルノ。彼女達はアリーナクラスのライブを成功させている。以前はアリーナクラスのライブを成功させる声優など2・3人程度だったのに、今は彼女達を含めて両の手に余るくらいになっいる。他にも、えみつんやpaleやりっぴーとかも、ちゃんと客掴んでる。これはやはりラブライブによって大きな層がアニメ系イベントに目を向けているからだろう。
良い面悪い面共通して言えることは、ラブライブによってアニメ系イベントが一般化して大きな客を呼び込んでいるという事で、その側面として悪い客も含まれてしまっているという事なのだろう。
つまりは、これからのアニメ系イベントで注意すべきことは、客の多くがオタク層というよりも一般層であり、そこに向けた戦略を検討すべきという事になるのかもしれない。
そして今年気になっていたのが、キングの動き。スタチャレーベルが消え、多くのタレントを抱えるキングの動きに気になる点が増えてきた。個々のアーティスト声優のライブイベントが開催されるのだが、どうも会場にピリピリとした妙な緊張感が漂う。ゆかり姫は早々に雲隠れしてしまい、今後アーティスト活動をするのか不明。これは一体どういう状況なのか。
まるでデレマスアニメの美城常務編みたいな雰囲気ではないか。あの常務のアイドルに対する理解の無い行動には虚構ながらも現実味の無い展開と思ったものだけれどもw、実際の現実にそんなことが起きている気がしてならない。
企業は金の為に動く。実に当たり前の事だけれども、そうした現実の前に、今まで大切にされてきたモノ、培ってきたモノが簡単に捨てられていく事があるのかもしれない。
ラブライブによる一般層の流入。ゲーム資本によるアイマス系の大躍進。エンタメの主流の一角に食い込んでいるアニメ系イベントにおいて今まで同様の地位を保ち続け、若しくはさらに上に行くためには、今までの事を全て捨て去るくらいの覚悟が必要な状況にあり、正にそのための蠢動がキングの中で起きていたように思う。
より多く観客の印象を引き付けるために、より多くのイベントを開催し、場合によっては他のイベントにあえてぶつけて観客を奪う。
客層が増えたとはいえ、その評価によってより良いイベントに観客は集中していってしまう。評価の情報はSNSによって瞬時に苛烈に行われるのだから、正に食うか食われるかの弱肉強食。
そんな非情と言えるような意識がアニメ系のイベントに漂い始めている。
自分はより緩い態度で全てのアニメ系イベントを楽しみたいと思っている。よい作品、才能ある人をどんどん見つけて、出来る限りイベントにも参加したい。オタクだから、そこにいくらでも時間と資金をつぎ込む意識がある。実際に以前はそんな緩い意識に対応したアニメ系イベントも多くあり、実に楽しいものだった。
しかし一般層は違う。より良い作品を人の評価に頼って賢く選択し、自分の生活に影響の出ない範囲で楽しもうとする。ただ、そういった一般層の人数はとても大きいので、その層を掴めるかどうかで売り上げは全然違う。当然、その層を考慮した戦略が生まれてくる。
アニメ系イベントであっても、今の時代はオタク系とは違う論理で物事が動いている。その事を実感する時代になってきている。それもまたとても寂しいものだ。