妖狐×僕SS

見ていて、なんとも居た堪れない気分になる。いや、この作品にというよりも、あの作品をどうしても思い出してしまうので。・・・ああ、岡崎律子の歌を聴き直したい。
まあ、基本的には「フルーツバスケット」の構造を持っている作品という事なのだろう。ただ、展開を押とどめる要素が特に無いので、なんだか勿体無いくらいに各キャラの心情が展開していってしまう。もう少し凛々蝶は「つんしゅん」度が強かった方が良いのでは無いか、とか、忠犬はもっと捻くれた性格を自覚している方が良いのでは無いか、とか思う。そうすれば、彼女達のうれし恥ずかし心の傷の癒し合いがもっと長く堪能できるのに。この展開の速さが、実はその後の・・・と思うと特に。
また、作品の演出的にも原作に忠実ではあるものの、もう少し上手い処理が欲しいと思える部分があったり。エンディングとか、ストレートにこの作品のドタバタした部分を取り上げているけれども、実際にはもっとシリアスで繊細な部分も併せ持っているはずなので、そこに少し力を入れて欲しかったというか。・・・つまり、岡崎律子が居たらなあ、と心底思ってしまう。
なんだか、色々な意味で勿体無い作品だ。いや、良い作品だけどね。