超に関する推理 その六「タイムパラドックスについて」

135時間目において、超の目的が「歴史を変える事」をであることが判明した。
せっかくなので、ここでネギま世界における時間移動の特性、ひいてはタイムパラドックスの処理の仕方について、今まで書いてきた事をまとめてみよう。
まず、この世界においてカシオペア試作2号機を使用して歴史改変が出来るかどうかという問題がある。
時間移動でもっとも印象深いのが、123〜125時間目の「亜子編」であるが、実はここの描写では、ネギま世界の時間移動特性を確定する事は出来ない。千雨のセリフ「もしや回避は不可能?」から、歴史改変が不可能である事を臭わせてはいるものの、それはここでは千雨の感想でしかない。この時間移動だけをみれば「もしかしたら歴史は変えれるのかも」と思わせる筋書きになっている。
もっと重要な描写は別に有る。それは90時間目の中夜祭の描写と129時間目のカモのタッチである。「カモのタッチ」は複雑なのでここでは省くが(つーか面倒なので考えたくない)中夜祭のシーンは明確にこの世界の時間移動の特性を提示している。
ネギはまだ時間移動をしていないにもかかわらず、自分が時間移動した未来の自分の行動を知る。
タイムマシンものは大雑把に二つに分ける事が出来る。それは通常の時間軸以外の別の時間軸つまり4次元的な広がりを持つものと、通常の時間軸の中で全てが処理されてしまうもの。
4次元的な設定の中では、通常の時間の流れの他にタイムマシンを使う前と後という時間軸が存在する。この場合タイムマシンによって過去に表れた瞬間から後の事象がすべて(タイムマシンによって表れたものも含めて)書き換えられていく事になる。通常の時間軸の他にタイムマシンを使う前後を規定する時間軸があるとすることにより歴史書き換えを認識できる。ただ、物質的な繋がりは断ち切れないので、例えば「親殺し」をしてしまえば自分も消えてしまう。歴史改変を成功させれば、その歴史に起因した記憶は全て忘れてしまうので何故自分がそのような行動をしていたのかもわからなくなるだろう。しかし、歴史改変はなされた事になる。(SF偏差値が高い方じゃないので、なんか頓珍漢な事を書いているような気がしてきた・・・。つまりこういう設定自体、厳密には科学的ではないのだ)
しかし、ネギまの場合、タイムマシンの起動前にタイムマシン起動の影響がある。このことから、全ては通常の時間軸の中で処理されていることになる。つまり、既に有る歴史はこれからどんなにタイムマシンを使用しても「タイムマシン起動を前提とした歴史」であり、変える事が出来ない事を意味している。つまりカシオペア試作2号機では歴史改変は不可能なのだ。
では、なぜ超の目的が「歴史を変える事」なのだろうか?
超がカシオペア試作2号機による時間移動の特性を知らないとは思えない。そして彼女は今までの言動からすると(83時間目冒頭)カシオペア試作2号機によって過去にやってきたようだ。とすれば、ここで単に行動するだけで歴史が変わるわけではない事は理解しているだろう。
となると、気になるのは謎の巨大機械である。彼女はこの機械を起動させる為に2年もの間、世界樹の大発光を待っていた節がある。彼女がなにを目的としてどのように歴史を変えようとしているのかはおいておくとしても、未来人である以上、世界に対する一寸した情報提供だけで歴史が変わる事は理解しているだろう。彼女の行動そのものに大仕掛けな機械は必要ないと推測される。ならば、あの謎の巨大機械は何なのか。もしかすると「彼女の行動が歴史改変になる」ようにするための機械なのではないだろうか。それはこの世界の時空間の原則をねじ伏せる機能をもっている必要がある。そんな大層な機能ならば、巨大である必要性もあるだろう。
彼女があの巨大機械を起動させた時、一体何が起きるのか。注目してその時を待ちたい。
(・・・今回は今までの推理のまとめなので、書いててあまり面白くないなあ。)
追記
話を単純にするため、タイムマシンものの区分けを二つにしたが、実際には、3次元的、4次元的の他にもう一つ、多次元的タイムマシンものがある。早い話が全てを「パラレルワールド」で説明してしまうというもの。これは4次元的では説明のつかないタイムパラドックスも完全に解決できるので、最近のタイムマシンものは大体この設定を臭わせている。しかし、元々の時間軸に手を出せないので「実際の歴史改変はできない」という欠陥があり、ここで例としてあげる意味が無かったので文中には含めなかった。