ダヴィンチ・コード

久し振りに映画館で映画を見る。最近なかなかそんな時間が取れないからなあ。
原作既読。はっきり言ってこれは既読者限定の映画ではないだろうか。登場する人物の立場が次から次へと入れ替わっていって、その目的も明確ではない。物語はジェットコースター映画と同じくらいのスピードで進むし、どうしても振り落とされてしまう人も出るだろう。じっくりと2・3回繰り返してみれば映画だけでも判る作りになっているのかもしれないが、一寸楽しむという人にはお奨めできないかも。
とは言え、既読者にとっては美味しい映画だった。なにより良かったのが、キリスト教の歴史上の場面が再現されるシーン。現代のサスペンス劇と並行してキリスト教の悠久の歴史を紐解く感覚は、映像にされたことでさらに旨味が増している。また、クライマックスについても原作以上に整理されていて、より感動を得やすい作りになっていた。原作を楽しんだ人にはお奨めの映画だ。
それにしても、物事の裏に隠された真実を暴いていくという作業は実に楽しい。それが正解なのかはおいておいても、その過程における発想の飛躍こそ、物語そのものではないだろうか。