彼氏彼女の事情 1998/10
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そんな監督が、エヴァでオタクドロップアウト宣言をした後のアニメシリーズ。その中において学園祭を描くという事は、今現在の監督がオタク的な活動をどう思っているのかをは計りえる注目すべき事だった。
ノスタルジックに描くほど枯れて無く、丁寧に描くほど客観的でもない、あえていい加減に、その混沌を充分理解した上での「ダバ絵」描写は、監督の創作活動への未だ屈折した思いを感じさせる。
ともあれ、ここでも学園祭というものがまともに描かれない。学園祭に至る過程こそが楽園という「ビューティフル・ドリーマー」的解釈は保存される。この解釈は、本来ならば「学園祭=楽園」のはずなのに結局は「本当の楽園へは辿り着けない」という意味にも通じる。
個人的には、いつか「学園祭=楽園」という描写をする作品が生まれないかと思った、きっかけの作品でもある。