[ネギま!]魔法先生ネギま! 158時間目 誰もが未来を背負ってる!

素晴らしい。いや、いいねえ、夕映大活躍。主人公たるネギに「殴ってほしかった」などと言わせるなど、これぞヒロインとしての立場にたっているようなもの。こんな美味しい役目を与えてくれるなんて、作者も粋な計らいをしてくれるものだ。
ネギの前回の発言は、いわば「誘い受け」だったわけだ。ネギの心は決まっていた。けれどもどうしても自分のエゴの汚さが許せなかった。だから誰かに背中を押して欲しかった、ということ。
ネギの自分を悪とする論理は、夕映が「議論の余地がある」と言っているように、少し飛躍している。ネギは自分の行動が正しいと思っていても、そこに自分のエゴが上乗せされていると感じただけで、それを悪と断じている。人は誰もがエゴを持って生きているのに、いや、実際にはエゴだけで生きているのに、その事に気付いていない。これは「人は理想だけで生きていけるはず」と思い込んでしまう子供の論理だ。
そして夕映は、そんなネギの心とシンクロするほどにネギの思考を感じ取り、ネギを叩く。実際、本来の彼女の思考方法は、ネギとかなり近い位置にある。例えば、のどかとの三角関係問題の時の行動はネギとそっくりだ。全てを論理で理解しようとする彼女は正義と悪の判断が極端で、自分を許せなくなってしまうことがある。それに、今は彼女自身もネギに対する助言に彼女なりの躊躇いがある。夕映はネギに対する恋心を隠してネギに接しているが、ネギへの助言が自分の恋のアピール(エゴ)にならないかを気にしている節がある。これは正に今のネギの思考とほとんど同じだ。そんな彼女だからこそネギの思考と強くシンクロし、自分自身の弱さをネギの中に見つけ、無意識に叩いてしまうのだ。
そして、ネギは夕映の言葉をあえて聞き、それを少年の心を脱っする力に変えようとする。夕映も、未だ脆くても高潔であろうとするネギの純粋な心に振れて、誠実な言葉を返す。そこには実に密度の濃い心の交流がある。それは普段夕映が感じてしまっている乙女らしい恋心の類より、もっと深いものだろう。夕映にとって何にもまして嬉しい事だったに違いない。いやー、よかったね、夕映。(^^)
ネギの少年らしい思考方法とその決着のつけ方、そして夕映の中の揺れる心の襞を、余すことなく描ききる今回の展開は、本当に「素晴らしい」の一言に尽きる。
そして、超はまだ終わらない。カシオペアが破壊されても、ラスボス定番の3段階変身を遂げ、最後のあがきに入る。彼女は本当に魔法が使えるのか。それならばなぜ今まで封印していたのか。これも、超の正体の謎に大きくかかわってくるだろう。
次回、ネギは無事超を倒す事が出来るのか。最後まで目が離せない展開で、本当に面白い。