第34回アニメスタイルイベント「語れ!トップをねらえ2!!」 ロフトプラスワン

まったく、「ロケットガール」と「トップをねらえ!」のイベントをぶつけるなんて、酷い事をしてくれるものだ。一時間の遅れで、トップ1を扱った第一部はまるまる聞き逃している。それでも、2部以降のトップ2についての話たっぷり聞くことは出来たので、充分途中参加の意義はあった。
なにはともあれこのイベント、「鶴巻監督のオタク学講座」といった様相を呈していた。監督は「フリクリ」とかを見るにつけ、オタクというよりもアーティストといったイメージが強い。それなのに、どうやら自分が生粋のオタクでないことに、どこかコンプレックスを持っているかのような話し方をしているのには、少なからず驚いた。オタキング庵野監督が生粋のオタクとして一時代を築いたのに対して、自分が一介のアニメ職人に過ぎない(決してそう言う訳ではないだろうが)と、負い目でも感じているかのよう。そんな人が放つ「オタクとは何か」という問いかけには、どこか切実なものを感じた。
「トップ2」の中で描かれる「トップレス能力」とは、つまり「オタク能力」の事なのだと言う。不可能を可能にする能力、妄想を現実化する能力、折り紙で折り鶴を作る能力は、すべて作品中では関連しているとの事だった。「トップレス能力」をなくして苦しむヒロイン達の姿は、年をとって妄想エネルギーを失ったオタクの姿を表しているらしい。それはそのまま監督自身の苦悩も表しているのかもしれない。こういう事を臭わしてくれるだけでも、監督のこの作品に対する想い入れが感じられ、嬉しくなってしまう。
また、この作品を「オタク的」に作るため、あえて情報を制限し、作品に「隙間」を作った、という話も面白かった。その「隙間」がオタクに対して妄想出来る余地を与えてくれるからだ。それが「トップ2」という作品で上手く機能しているかは分からないが、その感覚には、現在、大いに心当たりがある。(^^;)
・・・「ネギま!」だ。今私が「ネギま!」に感じている事が正にそれだ。「オタクと妄想」の話といい、なんだか、こちらの心を見透かされているような話題が多く、気恥ずかしい気分にされられた。やはり、クリエーターたるもの、こんな所まで考えて作っているのかと、改めて感心してしまう。
もちろんオタク談義以外にも、作品に関しての、作画とか、制作とか、裏設定とか、色んな事をたっぷりと語ってくれていた。色々な意味で興味深く、楽しいイベントだった。