魔法先生ネギま! 163時間目 have a break

一日空けて学園祭振替休日の2日目、舞台はアル・・・いやクウネルのお茶会。これはかなり意外だった。このお茶会が開催される前にまた一悶着あるかと思ってたので。3日間描くのに2年間、というのに馴らされ過ぎて、物語が素直に進む事を新鮮に感じてしまう。(^^;ドラゴンvs夕映のエピソードとか考えてたのになあ。
ドラゴンに対峙する刹那は「専門の装備」をしてきた様だ。札のついた数本の棒は捕縛結界用だろうか。刹那は使い勝手の良い十六串呂も持っているので、それ以上に強力なものなのだろう。そして、十字の刃を付けた剣呑な長槍も持っている。これは十字の形から「竜殺しの聖ゲオルギウス」を連想させる。「竜殺しの槍」としてそれなりに銘のあるものなのかもしれない。しかし、この状態でこれを振りまわしたら、まわりも危険っぽい。(^^;とはいえ、ドラゴンは招待状で素直に退散。刹那も装備の一部をその場に置いていっているようだが、槍はやはり大切なものらしくそのまま持ちこんでいる。
クウネルの住処は大瀑布を見渡せる観覧施設のような作り。これは彼自身が作ったものではないだろう。意匠が世界樹中心部と似ており、もとからここに設置されていた施設と思われる。いったいこの地底空間は誰が何の為に作ったのだろうか。ちなみに木乃香はこの風景を見て「メルヒェン」と称している。あえてメルヘンと言わないあたり彼女の育ちの良さが見えてきてよい。(古典の名作童話はメルヒェンと表記されていたが近年はメルヘン。その変遷から言葉の持つ意味も若干違ってきている。)そんな彼女だからこそ、このような大邸宅への招きに臆することもなく、皆を先導している。
そこにいたのはクウネルとキティ・・・いやエヴァ。(^^;ネギの遅れた理由が、ゆーな出資(T_T)の焼肉会だったとすると、エヴァは随分待っていたようだ。その間、天敵といわれるクウネルと顔を付き合わせていたはずであり、その時の会話はどの様なものだったのか、かなり気になる。人外の雰囲気を漂わすクウネルと、人外のエヴァ、共通する感性を持っているかもしれず、ネギという観覧者がいない時は、案外しんみりとナギの昔話に花を咲かせていたのかもしれない。ネギがきた時のエヴァの落ちついた態度から、クウネルは、ネギが来る前と後で態度が一変しているに違いない。さすがはアルビレオ二重星)だ。
エヴァの「悪者全開中」で語る説教、「『悪』こそこの世の真理」は、確かに真理だ。世界をカオスとコスモスで捉えれば、カオスは悪と認識され、世界はそのカオスに向かう様に出来ていている。人の正義=コスモスはそのカオスを成すための過程・装置としてあるのであり、究極的には全てが悪に向かう。しかし、だからこそそこに至るまでの過程としての人間は正義を成すべきであり、そのような結論に達したネギは単純に正義を信じていた頃に比べてより人間の深みを増したといえるだろう。「師はバッドガイに限る」というクウネルの言葉は彼の本心に違いない。だからこそ、安心して゛キティ”を「あれはイケマセン」とか言って遊ぶ事が出来るのであろう。
ここでクウネルに玩ばれるエヴァの百面相が見られるが、それが実に可愛い。クウネルの勧誘によろめくネギに「ガーン」となる姿は、到底齢数百年の吸血鬼とは思えない。やはり彼女は「子供の姿をした老婆」ではなく、「永遠の時を生きる子供」なのだろう。人の心が身体に影響されるとすれば、彼女の心の有様が想像できる。人の心は単に時間によって老成するのでは無く、実際には身体からの影響によるものが大きい。人は等しく老いるのでなかなかその事には気付けない。常に成長期の体が与える感性を持ちつづけ、永遠を生きる彼女は心も永遠に少女のままなのだろう。「身長的に身体の相性は良さそう」などとエロい事を言われて赤面する姿は正に乙女以前の少女のものだ。これは永遠の感性の牢獄にいるのに等しい。人の有様としてこれほど残酷なものはないだろう。クウネルはエヴァ以上の長命であるような雰囲気を漂わせているが、もしそうならば、彼にしてみればエヴァは気にかけるべき存在に違いない。彼のちょっかいも実に良く分かる。
そして、今回の一番の情報はクウネルのパクティオーカードだろう。カードの性質がさらに明らかになった。カードが死んでもデザインが変わって残る。龍宮隊長のカードはやはりそれを意味していたようだ。「カードが死ぬ」ということは、マスターの死の他にも、何らかの形で契約が解除された時も含まれるのだろうか。何にしても、クウネルはナギ以前に12人以上と契約していたらしい。これは彼のマスターが死にやすい、というよりも彼が膨大な時間を生きてきた事を意味しているのだろう。
ここで気になるのがカードのナンバーだが、クラスメイトは、ネギのパートナーで無い美空も含めて出席番号、ただし龍宮隊長は1番、クウネルの過去のカードが4・5(?)番、そしてナギとのカードが1001番(?)となっている。これは、「パートナー自身からみた」パートナーの状況を番号化していると捉えればよいだろうか。クウネルの4・5番は、3・4人のパートナーを持つマスターに新たに加わった時に刻印されたのかもしれないし、もしかしたら、クウネルにとって4・5番目のマスター、という意味かもしれない。後者の方が尊大な感じだが、クウネルならばありそうだろう。しかし、そうなると、1001番(?)というのはどう言う意味だろう。サウザンドマスターの異名のとおり、ナギは1000人のパートナーを従えていたのだろうか。もしかしたら、クウネルがナギに惚れこんで、最後のマスター(1001とは「千一夜物語」とかもあるように無限を意味する場合もある。)と言う意味でその番号を刻んだのかも。そのエピソードからナギがサウザンドマスターと呼ばれるようになった、と言う事も充分考えられる。
後、気になるのがパクティオー契約とアーティファクトの関係だろう。クウネルは「ナギの遺言」としてアーティファクト「イノチノシヘン」にメッセージを受け取った。つまり、ナギの死の後もアーティファクトを使うつもりだったという事になる。死んだカードにはどうやらアーティファクトは描かれていないようだ。これらから、パクティオー解約後もアーティファクトはカードと分離して元パートナーの手元に残ると考えれば良いだろうか。これは重要な問題だ。もしそうならば夕映達の力はネギとの関係を超えた自分自身のものとも言えるからだ。もちろん、多くのアーティファクトは魔力を必要とするので魔法が使えなければ唯のガラクタになってしまう物もあるかもしれない。しかし、夕映達はすでに魔法を体得しつつある。(学祭後の能力が気になるところ)たとえ、本契約に選ばれなくても、その力を持ちつづけるとなれば、嬉しい事だ。夕映がやむなくネギから離れたとしても、「世界図絵」を片手に世界中の稀本を求めて大活躍する「ビブリオハンター」としての道を歩むという、以前夢想した未来も実現可能ということだ。
(追記:彼女達が仮契約である事を失念していた。仮の契約だと、契約解除された時にカードもアーティファクトも返される可能性が高い気がする…)
さて、次回はどうなるのだろう。夏休みの魔法世界行きはほぼ決定したと言って良いだろう。そうなると、気になるのはその同行メンバーだが、本当に学園祭中にクラスメイトには魔法がばれていなかったのだろうか。もしかしたらそのあたりを含めた一悶着があるかもしれない。ネギチーム増員話とか。
一番手っ取り早いのが、魔法バレしていないクラスメイトがまとめて悪人に攫われて、何故か魔法世界に連れ去られるという展開だろう。もういい加減、秘密の臨界が近づきつつある様に思う。ここら辺で「全員バレ」があってもおかしくない、、かも。
…ただし「まとめてパクティオー」だけは勘弁して。(^^;