メガゾーン23 リバイブ! ロフトプラスワン

何と言っても石黒昇出演イベント。もうそれだけで参加決定。
その昔、アニメの主流がまだ「お茶の間の娯楽」だった頃は、アニメ界の先頭を切るような作品は挑戦的なOVAから生まれたものだったが、この「メガゾーン23」は正にそんな革新的なOVAの代表的な作品といえるだろう。その当時は、作画にしろ、プロットにしろ、全てが新しく、魅力的だったはずだ。
20年以上前の作品のイベントなのだが、当時心酔していた者達が集まったのであろう、バカ高いVHSを買った者が半数近くいたり、映画を見たものも多くいたりと、実に濃い空間となっていた。
イベント冒頭では、今後、公開される機会が無いとされる、当時のプロモ映像が流れた。内容は、時祭イヴ役、宮里久美の歌2曲のプロモ―ション映像11分強で、見応えたっぷり、もう、これだけでお腹一杯なくらいだった。
第1部は冨永みーなと音響監督の大御所本田保則。20年前、それも2日きりのアフレコという事で、なかなか記憶も定かでは無い様だったが、当時を一生懸命思い出してくれていた。「メガゾーンでなければこの様なイベントには出ない」という冨永みーな言葉が印象的。(その後「パトレイバ―」でも出るかもとは言っていたがw)
第2部では、石黒監督とメカデザインの柿沼秀樹が登場。これも当時の状況をかなり突っ込んで紹介してくれていた。
スタッフの誰もがとても熱心に語ってくれていたのが印象的。それほど、この作品には自負があり、各人にとっても大きな作品だったのだろうと感じる事が出来る。
観客からの質問も結構受けつけてくれ、面白い話になることもあった。例えば、外国人の方からイベント中上映された英語版の別バージョンエンディングについて、「実は全米で一度しか上映されず、リリースも無かった」という事実を教えられたり。実際に、外国人は何人かいたのだが、「メガゾーン23」は海外でかなり人気があるらしい。確かに、「マトリックス」などがヒットした背景からこの作品に行き付く事もあるのだろう。
やはり「メガゾーン23」は、その革新性から、時代を超えた魅力を持ちつづける作品なのかもしれない。
イベントは、石黒監督からの、現在のアニメに対する一寸した苦言を交えたとても熱いメッセージによって幕を閉じた。