夏が終わる

なんとなく、本当になんとなくだけれども、ここに来てオタク文化の絶頂期が過ぎたような気がする。
その絶頂期とは、明確に言ってしまうと、2007年8月19日、コミケ72の最終日。
これって、異常な程の暑い夏がやっと涼しくなってきたこの時期の、季節の移り変わりとオタク文化を、私が感傷的にダブらせているだけ?
けれども、世間を見渡すと色んなところにオタク文化の衰退の兆候が現れているのは確か。
例えば、漫画雑誌の発行部数の低下とか、アニメが子供のファーストチョイスではない、とかなんとか。
まあ、そんな事を言われ続けても、オタク文化はここ数年拡大してきたような印象がある。
それは多分「電車男」をきっかけに、オタク文化があくまで閉鎖的で一部の人間だけが知っているものから、広く一般人が知る娯楽へと昇格したからだろう。
これにより、オタク文化は一般人全般の認識の中に定着し、彼らが選ぶ娯楽の一つになった。つまり、日本人全員がライトオタクになりうる要素を植えつける事に成功した、という事かもしれない。この流れがあったからこそ、オタク市場は拡大しつづけた。(様に思う。実数を知らないので、あくまで印象だけど。)
けど、これってオタク文化の日本におけるフロンティア全てを開拓したのと同然。
後は、いかにしてこのフロンティア開拓時の高揚感を持続させるか、という事がオタク文化の拡大に関係するのだろうけど、それって無理じゃね?って気がする。
だって、ここにくるまでに凄い無理してコンテンツを作ってきているし。アニメ産業なんか空洞化が本格化してきているらしいし。
さらにひどい事には、今後、これからのオタク文化の中核を担うべき子供達がどんどん減ってくる。
そう、オタク文化の隆盛が絶対に影響している「非婚率の増大」「少子化」がモロオタク文化そのものにも打撃を与えるはず。
なんか、全てが絡み合って、マイナスの方向へ行くような気がする。
オタクマイナススパイラル?w
これは潮が引くように、最初は徐々に、その後一気に進んでいくんじゃないだろうか。
そして、後から「オタクの絶頂期はあの暑い夏だった」とか、思い返したり。
そして、その象徴的な日が「2007年8月19日」だった、という事になるような・・・
いやいや。
これはそう、夏の終わりの、秋の虫の音を聞きながらの、感傷的な妄想という事にしておこうか。

  • アニメ離れする子供たち(2007年04月11日)

http://www.47news.jp/CN/200704/CN2007041101000147.html

アニメはもう子供たちのファーストチョイスではない

  • アニメ:日本、空洞化 デジタル化進み、9割アジア外注(2007年8月20日

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/archive/news/2007/08/20/20070820ddm003040072000c.html

  • 自アンケートが示す非婚率上昇の実態 - nikkei BPnet (2006年3月7日)

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/skillup/marriage/060307_2nd/

2000年に発表された国勢調査によると、東京都の30代前半の男性の非婚率は約54%。ついに非婚者が既婚者を上回った。