夕映、二種類の薀蓄

今頃気付いたのだが、186時間目の夕映の薀蓄には二つの種類があった。
一つは自分自身の知識としての薀蓄。冒頭の「異界」の解説はこれにあたる。彼女が今までの読書によって得た知識を、自身の主観なども織り交ぜたりしている。
もうひとつは「世界図絵」によって得た知識をそのまま解説する場合。これは「魔法世界」について木乃香に解説しているものがそうだ。
しかし、この二つの知識、夕映自身の知識と「世界図絵」で得た知識は、ここではシームレスに繋がっていない。
けれども、それは夕映にとって本来の使い方ではないだろう。彼女の様に知識欲の塊ならば、今回の「異界」についても、「世界図絵」によって一般人の知識を超えた情報を得ようとするはず。「異界」の伝承と「魔法世界」に何か関係があるのか。そういった事を解き明かす事こそ、本読みの一番の醍醐味だからだ。
そして、それに至るには、「魔法世界」には一体いつ頃から人の交流があったのか、とかの「魔法世界の起源」を解き明かす必要がある。そう、夕映が最初のページの一番最後、「またその起源も・・・」と語り始めた所こそ、それにあたる部分と思われる。それはつまり「本読みの醍醐味」に至る導入部分だったのだ。
こういった事を人に語って聞かせるのも本読みの醍醐味の一つ。それを途中で中断させられた夕映はとっても不憫だw。
お願いだから、同じ図書館探検部の部員、いやせめてのどかくらいは聞いてあげて下さい。
私だったら、いくらでも付き合うのになあw。