魔法先生ネギま! 197時間目 プロジェクト・一石三鳥

やっと無事が確認できたゆーなとまき絵。いやはやよかった(^^)。良い人に拾ってもらえたらしく、普通にバイトなどして生活していたようだ。
それにしても、この時点で既に前回から1週間後、つまりもうこの世界に来て2週間以上が経ってしまったという事だ。これは、どう考えても夏休み期間中に麻帆良学園に戻ることは無理、と考えるのが普通だろう。それどころか、ネギ達は1ヵ月後の拳闘大会に目標を定めている。それまではこの魔法世界での冒険が続く事がほぼ決定した事になるのだろう。なんとも長い夏休みの冒険となりそうだ。
魔法使い(魔法世界人)にとって、地球は「旧世界」という認識のようだ。やはり、彼らはこの魔法世界に移住してきたという歴史があるらしい。また、移住後は旧世界とのつながりは希薄のよう。生活の中にギリシア・ローマ文化が偏在しているのも、互いの干渉が無い為に、過去の移住文化がそのまま残っていると考えることが出来るだろう。
ネギの大胆な広報作戦は、今回の描写からすると、結構上手く働いているようだ。けれども、実際の所はかなり受身の作戦と言えるだろう。ゆーな達への呼びかけも「1ヵ月後に会いましょう」とは随分と悠長な話だ。本来ならば「どんな手段でも連絡ください。すぐ迎えに行きます。」くらいの切迫感があるべきだろう。実際、こんな調子でいられたら、千雨の場合は今頃モンスターの慰みモノとしてジャングルの土になっていたはず。まだ読者にも行方の知れてメンバーは沢山居るし、ここでゆーなとまき絵が元気だからといって安心できる状況など、どこにも無いのだ。
ネギメンバーの目標は、1ヵ月後のオスティアという都に向かう。ここで拳闘大会の決勝が行われ、同時に、この魔法世界で唯一休止しているだけの「扉」もそこにある。
このオスティアという都は20年前の戦争によって廃都になったという。今更確認するまでも無いだろうが、この戦争こそが今まで言われていた「大戦」であり、その大戦を終わらせた英雄こそがナギという事になる。つまりは、この元「風光明媚な古都」こそが、アスナの捉われていたあの「歴史や伝統だけが売りの小国」の都である可能性も高いだろう。
これらの情報を仕入れてきたのはやはり朝倉。彼女の能力は本当に計り知れない。ただ、付き添っているさよを見てみると、どうやら人形から幽体離脱(?)する事が可能なようだ。つまり、朝倉の超人的な情報収集能力はさよの力による所も多いのだろう。なんにしても、朝倉のこの能力の高さをもってすると、ネギとパクティオーをする必要性は、何時までたっても無いかもしれないw。
そんなネギは、フェイトとの再戦を予感して悩む事に。自分のレベルは「本物」と比肩出来ない。自分に一体何が足りないのか。その悩みは、もう人前で顔に出すことは無く、唯人混みに紛れてのもの。ネギの顔は、単に年齢詐称薬によるだけでなく、すっかり大人の顔になっている。自問するシーンの中で本来の子供に戻る描写と比較すると、少し痛々しい。
コタローは、おそらくヒントを出しているのだろう。「必殺技」とは、つまり「自分が絶対的に勝てる力」という事。それこそバカみたいに自分を信じる心、楽天的な精神こそが、ネギには足りていないのかもしれない。それは、自分の非力を自覚し続けることで力を付けてきた、秀才肌のネギにとってまったく逆方向の心理かもしれない。けれども、自分を信じてこそ、自分の内なる力に気付くこともあるだろう。ネギにとって、まだまだ獲得すべき事は多い。
そして、その力になりそうな人物の登場。最後に登場した男こそ、「向こうでまっているナギの友人」、あの「大剣をもった大男」に違いない。彼との出会いがネギをどのように成長させるのだろうか。それは主人公ネギの変化として、今後の物語にとても大きな意味を持つことになるだろう。