魔法先生ネギま! 205時間目 父の道か師の道か!?

ついにネギは「闇」を選んだようだ。
これは、過去にあったネギの選択の中でも、最も重いものになりうる決断だろう。前回、前々回と二週をかけてその怖さを説明してきたが、それでも本来であればそう簡単には出すべき結論ではないように思う。
しかし、現在ネギが置かれている状況、つまり、魔法世界において仲間に危機を与えてしまい、刻々と時間が過ぎているこの状況下においては、真面目な性格の(正にその性格故に)ネギの決断として当然の決断といえる。つまり、ネギがこの様な過酷な道に進む事は、ある意味、ネギがフェイトに飛ばされた時点で既に決まっていたのかもしれない。

  • マギア・エレベア(闇の魔法)

この技を少し整理してみる。ラカンほどの達人、相当量の魔力を扱え、体力的にも無尽蔵と思える人間が間違えれば死ぬほどの大怪我をするこの技。膨大な魔力量を誇り、そして無限の生命力を持つエヴァにして、初めて編み出すことが可能だった究極奥義。ここで気になるのが「体力」の問題だ。ラカンは体力的には小さいネギに対して「出来るかも」と言っている。この技を生み出す迄にエヴァの不死身は役に立ったかも知れないが、実際の使用には体力の大小は関係ないのだろう。あくまで、その個人の「適性」だけが重要という事になる。
そして、その適性とは「負の感情」、つまり心の問題だという。心に「負の感情」が備わっていなければ、技を制御できず、体力を削るというわけだ。
また、制御するのは「魔力」そのものらしい。その魔力は、ラカンの呪文を見る限り同様に「闇」の性質を帯びているようだ。つまり、「闇」とは制御する者の在り方と魔力の質、双方にかかっている。その両者が同質だからこそ制御が可能ということだ。
問題は、なぜ「闇」の場合のみこのような制御が可能なのか、という事だろう。単に、負の感情が他よりも強い思念だから制御を可能としているのだろうか。ラカンの大怪我、ネギとの体力差からすると、そんな生半可な違いで説明出来るものでは無いように思える。
もしくは、闇=負の感情そのものが魔力と同質と考える事ができるのかもしれない。魔法は心によって生み出される。心と魔力が近しい関係にあるとして、「闇」こそが心の中の最も深い部分、心の源泉であり、そこに魔力も存在しているのかもしれない。
なにはともあれ、このマギア・エレベアには魔力=魔法の意味、そして心の在り様そのものを問いかける程の、深い設定が存在しているように思える。

  • ネギの決断

ネギには仲間がいる。そして、その仲間の大切さを充分に理解している。それは確かな事だろう。
しかし、それに頼る事と自分の道を進む事は問題が別。いや、それが同義になる性格の人間もいるかもしれないが、ネギの性格としては別なのだろう。仲間を大切に思う事は、自分自身もしっかりと自身の道を歩まねばならない事に繋がる。仲間を頼り、自分に進める道があるにも係わらず足を止めてしまえば、それは仲間を裏切る事にもなる。ネギにとって、師が歩んだ道であり、自身にも適性があると言われる道は、その可能性に賭ける選択として「進める道」となった。この決断は、ネギの真面目な性格故に当然の選択だったわけだ。

  • 先達者、千雨

また、この決断に際して千雨が傍に付いていたのは興味深い。この決断は、ある意味、ネギの「一人で極める」という性格から派生したものだ。そこに適性があったともいえる。ネギにとって、この「一人で極める」事の人生の先達者として、千雨は尊敬に値する人物だった。ここでこの決断をするネギの心の支えとして、千雨の存在は、実はとても大きかったと思える。
もしくは、魔法の適性未確認の千雨も、後にこのマギア・エレベアを獲得出来るかもしれないw。

  • のどか登場

のどかの無事も確認された。トレジャーハンターのチームに拾われたようだ。これまでののどかの経緯はどのようなものだったのだろう。
まず、「たくましくなった」と言われているところからすると、この場で描かれている遺跡で拾われた訳では無いだろう。つまり、のどかはどこか別の遺跡に出現し、そこで偶然このチームと出会ったという事だ。そこで「罠探査の技術」を示す事により仲間に入れたようだ。図書館探検部としての活動がここで役に立つというのも、かなりファンタジーながら面白い。
その後、「魔人の童謡」の情報を得、今回の探検はのどか自身が求めたらしい。これは、これまでに彼女がかなりの信頼を勝ち得ていなければ無理な事だろう。つまり、既に何度かの探検を繰り返していると思われる。街にも何度か出入しているだろう。
ここで少し疑問なのが「指名手配」だ。トレジャーハンターと賞金稼ぎは、性質は少し異なるもののほぼ似た様な職業だ。情報源も同じルートである可能性が高い。チームの仲間はのどかが指名手配者である事を知らないのだろうか。まあ、この辺りは次週以降に確認したい。

  • 死神の目

「魔人の童謡」は、のどかの「いどのえにっき」を戦力として、「敵」に対して使う場合ある意味必須の能力と言える。本来、敵の名前などは知りえないものだ。今までののどかの行動範囲はほぼ麻帆良学園内であり、そこでののどかは能力を発揮することが出来た。しかし、これからネギチームが対峙するのは、おそらく魔法世界そのものだろう。その際ののどかは、戦力としてほぼ役に立たなくなってしまいかねない。今後のどかが活躍する為には必須のアイテムなのだろう。
それにしても、この様にネギチームが新たな能力を身に付けていく様子を見ると、この後に待っている敵の巨大さもおぼろげながら想像してしまう。それは単に「フェイト一味」程度の様なものでは無いように思える。それはやはり「魔法世界そのもの」なのだろうか。そんな巨大な敵との遭遇は、案外早くに巡ってきそうだ。