小林ゆう「ROCK YU!!」CD発売記念ライブ 石丸SOFT 2 7Fホール

今、小林ゆうのライブを聞く機会となると、このようなイベントしかない。前回、そのパフォーマンスクオリティの高さに驚き、やはり今回も参加したかった。
ステージに登場した小林ゆうは少し硬い感じ。出てきていきなり一曲歌ったのだが、ほんの少しだけ歌に入りきっていないようだった。で、その理由はすぐ分かる。MCが居ない。そうか、このステージを全て一人で仕切ろうとしているのか。MCも、バンドメンバーも、そでのプロデューサーも居ない。そんなステージを一人でやるというのは、やはりとてつもないプレッシャーなのだろう。まあ、彼女はFCも持つ身。今までにも様々なステージ経験があるのだろうが。
それにしても、トークでは誰よりも丁寧で遜った態度なのに、歌に入ると途端に激しくなる。そんなアップダウンが奇妙に可笑しくて、彼女の魅力とも言えるのだけれども、やはりなんだかもったいない。
彼女の歌に入り込む姿勢は、本当にすごいものだ。「これこそ本当のロック」と言っていいほどのハートを持っていると思える。そんな彼女ならば、もっとハードにロックを突き詰めて、例えば、このようなライブの時だけでもトークで笑いを取るのを控えて、彼女の歌に対する真剣な気持ちだけを観客に叩き付けてみてはどうだろうか。
ライブのMCで、小林ゆうは「ライブをやりたい」という思いを熱っぽく語っていた。それは本当に良い事だ。是非実現させて欲しい。けれども、そのライブを作る時、MCが今のようなもので本当に良いか検討して欲しいものだ。
彼女のキャラクターは本当に誠実で、腹を抱えて笑ってしまうほど可笑しくて、正にオンリーワンの魅力を持っている。けれども、それが彼女の持つ素質から派生する楽曲とあまりにかけ離れていて、どう考えても万人受けしないように思う。
小林ゆうは一から十まで演じきることの出来る演技力も持っているはず。ならば、ライブではロックの心をギラギラと滾らせた激しい小林ゆうになりきってみてはどうだろうか。トータルでイメージを揃えたロックライブをすれば、観客はもっと「安心する」と思える。そして、アンコールで出てきた時の豹変振りにどっちら返るとかw。
何にしても、彼女のライブが実現し、成功して欲しいものだ。

ROCK YU!!

ROCK YU!!