魔法先生ネギま! 234時間目 捕らわれの姫御子

謎が多すぎる終わり方だったラカン編だが、それでも情報量だけは多かった。それだけに、物語には勢いが付いている。それを受けてなのか、今回の展開もかなり驚愕。
ここで明日菜の記憶が戻ってしまうのか。
これこそ、ネギまにある二つの物語の柱、「ネギの話」と「明日菜の話」の内、明日菜の方の最も重要な転換点ではないか。これが完全になされてしまえば、かなりの部分の展開が進む。実際の所、「完全なる世界」とか「魔法世界」とか「未来世界」とかの謎なんて、大した事は無い。それらは、物語を彩る背景に過ぎない。しかし、主人公が(明日菜も「主人公」と呼んでも良いだろう)、自分の「人生」に出会う事こそ、物語の核であり、最も重要な事だ。明日菜の過去の記憶は、正に明日菜の「核」ともいえる一大事。それが明かされたら、明日菜は一体どうなってしまうのか。その後の明日菜はどう行動するのか。それこそが物語と言える。本当に明日菜の記憶は完全に戻ってしまうのか。次回がかなり気懸かりだ。

早い話、彼女自身が生きた「イノチノシヘン」と言ったところか。「技」とも言っているし、アーティファクト「偸生の符」は栞にしか使えない特殊なものなのかもしれない。そして、粘膜接触(w)によって情報を盗み、身も心も対象者に変化する。「スイッチ」が入っている間は明日菜の心だとして、栞の心は継続して残っているのだろうか。それとも記憶だけ? 「スイッチ」切るにはどうするのかとか、結構謎が多い。
二つの魂を保有している状態と同じで、好きな時に栞の行動が出来るとすれば、これほど潜入工作適した技は無いだろう。逆に、例えば丸一日後に自動リセットされない限り戻れない、とかも面白いが、そんな技は栞本人が嫌だろう。自分の身体を(変身していてもそれは栞の物だろう)人の心に預けるなんて、空恐ろしい事だ。例えば、明日菜はオジサン好きだけど(w)本当におっさんの恋人が居たら栞は相当イヤな思いをしたりするわけだし。
また、心を持ったまま潜入するのにも、若干の問題がある。敵の実情を知る事は、イコール敵の心を知ってしまう事。つまりミイラ取りがミイラになりかねない。二重スパイなどは案外そうやってなってしまうもの。栞がどんな性格の持ち主かも定かでは無いが、いつかネギパーティに取り込まれていたりしてw。
長期に渡ってヒロインがすり替わっていた話で「3×3アイズ」があったけれども、あれも最後には味方になっていたなあ。

栞もそうだが、どうもフェイト美少女軍団は「作られた」雰囲気がある。焔に関してはファイアースターター。その能力は、睨んだだけで距離の離れた所に炎を発生させる。何も無いところに炎を発生させるその力も凄いが、気になるのが彼女の技を使う姿。今のところ炎を発生させているのは左目だけのようだ。そして、右のツインテールだけが炎に包まれている。まるで、片側だけが炎の精霊の様。右利きの場合脳と目は左が活発とも言われるし、普通に半身だけ精霊の能力を引き継いだ人とのハーフだったり。ともあれ、一部の能力を強引に伸ばしている風であり、どうしても作られた印象が強い。
にしても、この焔髪灼眼の少女、他人に対しては概ねツンツンだけれども、ただ一人に対してだけはデレデレだったりして・・・、CVはくぎみーかなw。

  • 人間

フェイトは人間では無い。それはどうやら間違いではないようだ。しかし、フェイトの言う「人間」とは、一体どんな意味で言ったのだろう。全ての人間を傷つけるべきではない、という博愛的な意味? いや、どうもニュアンスが違う。彼の中には殺生をすべきでは無い「人間」の他に、殺すのも致し方ない多数の「人間以外」が存在してる様に感じる。
フェイトがやろうとしているのは魔法世界を終わらせる事。ならば、魔法世界の人達は、フェイトにとって殺しても良い「人間以外」の存在なのか。つまり、魔法世界は人間が済む場所では無い、魔法使いは人間では無い、という事? しかし、アーニャは魔法使いだ。単に現実世界で生まれ育っただけ。それと矛盾してしまう。
で、ハタと思い出したのが、以前からの矛盾点。超の調べによると魔法使いの総人口は6700万人。しかし、夕映によると魔法世界の人口は5〜7億人。メガロの都市人口が6700万人と超の情報と同じ事から情報のミスかもとかも言われていたが、この矛盾は解決されていただろうか。もしかして、魔法使いの人口が6700万人と超の情報は正しく、魔法世界の人口が7億人というのも正しいとか。「魔法使い」とは現実世界からやって来ている人間そのもの。しかし、魔法世界には「魔法世界人」として人工的に作られた存在が数多くいるとか。イメージ的には、NPCが数多く暮らしているネトゲとか、アップルシードとか。となると、そもそも魔法世界そのものが幻想世界であり、現実には存在しない世界である可能性もあったり。
以前よりコメントで書いてくれていたK・Kさんの魔法世界=人工世界説(2008/7/16とか)を思い起こさせる。意表をつく設定としては秀逸なのだけれども、ある意味「夢落ち」に近い逃げにもなる設定なので、実はそうなって欲しくは無いのだが。

  • フェイト美少女軍団

明日菜が指摘するように、本当に普通のメンタリティの女の子達だ。しかし、フェイトを無条件に尊敬してもいる。一体彼女達は何を思い、フェイトと目的を一つにしているのだろうか。暦の言動からすると、彼女達は明日菜に何がしかのわだかまりを持っているようだ。それは、明日菜が、過去黄昏の姫御子として、世界を滅ぼす力の源になった事を憎んでいるのか。しかし、それならばそれを実際に実行した「完全なる世界」残党であろうフェイトとは別の立場に居るはず。
いや、黄昏の姫御子の技「世界の始まりと終わりの魔法」は押さえ込まれた。つまり世界を「滅ぼせなかった事」に憤りを覚えるのか。それほどまでに、彼女達にとっても世界は滅ぼさねばならないものなのか。その理由は何だろう。彼女達の心の内も早く知りたいものだ。

  • 記憶封印解除

明日菜の拘束には魔法を使っていない。つまりフェイトは明日菜の魔法無効化能力を充分把握している。それでもなお、記憶解除の「魔法」を使っている。例えば、かける事が出来た魔法のキャンセル魔法は、魔法無効化能力が無効になる魔法の法則とかがあるのかもしれない。脳に関しては物理的な魔法影響ではないのでキャンセル力が低いとか。
フェイトの記憶封印解除魔法をかけられる明日菜。それが今後、明日菜にどのような影響を与えるのだろう。
最近一つ気になっている事。明日菜の記憶は本当に明日菜のものなのか。魔法世界においては、記憶の移植も身体の変化も、決して不可能なことでは無い。明日菜がアスナである可能性は、未だに100%では無い。明日菜の心象風景の中、姫御子アスナが明日菜に語りかける。それは、自分が自分に語りかける心理描写なのか。別の可能性は無いのか。次回が大いに気にかかる。

楓は、ネギにとって、クラスメイトの中で最も初期に戦いや人生の心構えを教えられた、心の支え的な存在。あの頃は泣き虫なだけのネギだったが、今、ネギと楓が戦えばどのような結果になるだろう。かなり伯仲、もしくはネギが抜いているかもしれない。そんなネギの成長を経て、ついにネギが楓のマスター=主君となったと思うと感慨深い。楓にとってマスターは主君。他のメンバーは、単にパートナーと思っている者も多いだろうが、忍者としての楓が仮にも主君と呼ぶからには、それなりの覚悟があるのだろう。このパクティオーには、相応の深い意味が出来そうに思う。
そして、出てきたアーティファクトは亜空間隠密マント。早い話、ハンタ・ノヴの4次元マンションか。これは、特殊能力を持つ非戦闘員が多い白き翼にとって、かなりのメリットがあるだろう。一番相性がよいのはやはりのどかか。彼我の戦闘能力差が大きすぎると、どうしてもその特殊能力を活かしきれないのは、前回のフェイトと対峙した時に実証済み。そんな状況を打破できるだろう。

  • くー

ついに暴かれた乙女の恋心w。あのパルにして、くーは盲点だったようだ。それほどまでに、恋とは無縁に思える格闘バカ少女だが、内面はかなり乙女。そーゆー立場になれば、手練手管もなく可愛い素顔を曝してしまう。
くー、可愛いなあ。次回は「既に済んでいた」むとかではなく、じっくりと描いて欲しいものだw。

  • 乙女達

そんなパク増殖を審議する、悪の組織と戦う戦士達。
素面ながら率先して話題を振る茶々丸は、更に自立的な意識を強めているように感じる。
パルやのどか、木乃香の反応は想像通りだが、朝倉が顔を赤くしているのが妙に可愛い。修学旅行の頃を思うと、他人の恋愛に対してドライに接するタイプだと思っていたが、案外積極的に係わっている。長くパーティメンバーと一緒に居る事で、より心が通い合って来ているからか。それとも、ネギとのキスによって、自身の恋愛に実は最近目覚めたとか。
このように、クラスメイトの関係が刻々と変化していくところが、ネギま最大の魅力だと、つくづく思う。
ところで、この時「絶対に」この場に居るべき、ネギのお目付け役である明日菜がこの場に居ない。既に栞が行動を開始しているのだろうと推測できる。次回はどんな展開になるのやら。