田村ゆかり LOVELIVE 2009 *Dreamy Maple Crown* 幕張メッセ・イベントホール

いやあ、やはり良いね、田村ゆかりのライブは。
考えてみると、先週の札幌のバースディライブはどこかFCイベントの様な雰囲気があった。観客に少し緊張感みたいなものが漂っていて、それはおそらく、皆がなにより姫様を祝うことを考えていたからなのかもしれない。実際に、ファン企画のサイリュウムが完璧に決まったり、それに姫様が素直に応えたり。それはそれで、どこか厳かな、ファンと彼女との心の交流の場のような感じでとてもよかった。
しかし、今回はまた違う雰囲気。見渡す限りピンク色の観客を相手に、田村ゆかりのサービス精神が遺憾なく発揮されていた。姫様のファンも、単なる声優ファンも、もしくはアニメファンも、誰もがうち揃っての巨大で奇妙なお祭り。そんな大騒ぎを田村ゆかりが会場の端から端まで完璧に取り仕切っていた。
セットリストも、この会場で改めて聴いてみると実にバランス良く感じられる。確かに定番がないものの、新たに定番となるべき「メタうさ」と「国歌」が「陽」の核になっているとすれば、それと対になるべき「アゲハ」と「嘆きの丘」という「陰」の核が新アルバムから持ち込まれている。この二つの核の他に、「ライブのイメージ」ともいえる定番曲が入ってしまうとバランスを崩しかねない。陰から陽までライブに深みを持たせた上で新アルバムの要素を入れていくと、これしかないと言えるようなセトリだったといえる。ただ跳ねるだけではない深みのあるライブで、なおかつこれだけ楽しませてくれるのだから、流石だ。
田村ゆかりは、あまりファンにメッセージとかを言わない人だと思っていた。「察してよ」てな具合にw。
それだけに、「みんなといられる時間は大切」という言葉は、非常に重く響いた。なんというか、彼女の心の中で、何かが熟し始めているかのような感じを受けた。「この時間が大切」というのは、ファンにとっても同様だろう。これからも、その様な機会を大切にしたいものだ。