魔法先生ネギま! 258時間目 世界のヒミツの核心へ!!

「実は火星だったんだよ!!」
「なんだってェーーッ!?」
「つまり・・−−−−何?」「火星だからどうだってのよ!?」
結局は、そこが問題なのだろう。
魔法世界の正体が火星だったとして、それが何を意味するのか?
ネギは、火星であるという事から思考を新たにしたようだが、実際にはそれは少しおかしい。ネギのつぶやきからすると、異界には自然に発生した異界と人工的に作られた異界の二種類が有り、魔法世界は人造異界であろうと推測しているようだけれども、火星である事と人造異界だと判断する事のどこに繋がりがあると言うのだろう。人工的な転送装置や、世界の滅びと創造を司る魔法がある事からして、この魔法世界が人造異界である事は、少なくともラカンの昔話を聞いた時点で、人造異界の知識を持っているネギならば気付くべきだったと思われる。
実際、この世界が人造異界だとしても、「なぜ火星なのか」は全く謎のままであるとしか言えない。中世に入って惑星が観測され、そこに大きな天体がある事が分かったから新天地を求めたとか?しかし、世界中に12箇所の巨大な転送装置を作って行うほどの大事業だ。それこそ、相当切羽詰った事情が無ければ、その様な事業は行われないだろう。前回も言った様にそこに大規模な時間旅行の設定が有れば説明はつくが。
いや、当初は偶然火星への道が開いただけなのか?重力が同じ一日の長さが同じ馬鹿デカイ異界と通じ、そこに人々が繁栄していった結果、世界に12箇所のゲートと聖地が作られたとか。ありえなく無いが、それはあまり嬉しい設定とは言えない。
もしそうだとして、その設定を基本に思考を巡らしてみよう。
ただ単に偶然火星だったのだとすれば、目下の問題は魔法世界だけの事となってくる。また、そうなるとすべての事象がその問題に集約する事も意味する。その問題とは、つまり、「人造異界崩壊の不可避性」。
魔法世界は人造世界であって、その崩壊は不可避である。そうネギは考えたようだ。おそらく、それは真実なのだろう。となれば、一番の問題はその大崩壊に巻き込まれる魔法世界人達全員の命、そのものだ。
しかし、そうなるとおかしなことが有る。おそらくこの大崩壊について、魔法世界の上層部も知っているはずとネギは推測する。それは、魔法使い達が、人間世界に干渉しないよう心がけ、閉鎖主義に向かっているという事と矛盾するのではないか。知っていれば、どうにか新世界との融和政策を展開し、その結果人民を助けようとするのが、その世界の指導者の役割では無いか。それをしようとした超を排斥したりして、明らかに行動が矛盾しているとしか思えない。
そこで気になるのがフェイトの言動だ。彼の言葉からすると、魔法世界の住人はまるで人ではないようだ。それはアーニャを「人」と扱い、それ以外と区別していた事を再度確認させてくれる。
つまり、魔法世界の住人のほとんどは人造世界と同様に「作られた人種」=人造人間だという事になるのだろうか。のどかが心を通わせてトレジャーハンター達やゆーな達が世話になったオジサン達、トサカや奴隷長の面々、そしてあのラカンですら、人ならぬ者として、フェイトからすれば世界の崩壊時には共に消えるべき存在という事なのだろうか。
人造異界が崩壊する、その原因についても考えるべきだろうか。もしかすれば、人造異界を創造するとそこには魔力が充満している事から自然に魔法生物が発生してしまい、その魔法生物の繁栄が過ぎる事によって世界が崩壊に向かうとか。「完全なる世界」が死の商人的な事をしていたのも、世界に蔓延る命を戦争によって減らす為とか。
いや、戦争は魔法活動を活性化させることが目的とも取れるし、現在のフェイトの言動もそれを期待しているようだった。そんな活性化した魔法世界全体の魔力を基に「世界の始まりと終わりの魔法」を行使しようとするのは、魔法世界そのものを作り変えなければならない何らかの理由があると思える。
フェイト達が現実世界とのゲートを閉じて魔法世界を作りかえるほどの理由は何か?
それは、やはり魔法世界の魔力の活性化と関係があるのか?どフェイトの言動からすれば、今のまま魔法世界が維持されれば、近い将来何らかの悪影響が出るよう推測できる。
フェイトは基本的に現実世界の維持を目的としており、その為に魔法世界の大掃除が必要と考えている?
そして、魔法世界の上層部は、魔法世界そのものの維持を目的としており、その結果現実世界に悪い影響が出ても仕方が無いと考えている?
また、超は第三の選択として、魔法世界と現実世界の融和をもって共に悪い影響を受けるべきと考えていた?
現実世界への悪影響とは、魔力の過剰活性化による世界崩壊を防ぐ為、現実世界に魔力を放出する事だとか。結果、現実世界も魔法世界化が進み、それは異界からの侵食と同義として好ましくない状況なのだとか。
色々考えを巡らせていくと、「魔力」そのものが問題となっているようにも感じられる。
そして、そのような流れと連動する設定も思い起こされる。
それは「闇の魔法」。
究極の魔法にして、使いすぎると魔法自体に取り込まれるという。そして、その特性は闇。闇の特性のみ確認される。つまり、魔法は闇を根源として存在していると考えても良いのかもしれない。
魔力が闇の特性を持つものだとして、魔法によって作られた異界の崩壊とは何か。
それは異界の魔界化とか。
常々魔族だと噂されているザジの登場も近いのかもしれない。
そして、先生は言う。ザジの活躍があると最終回も近いとか。その最終回に向けて最短で進む展開に入っているのかもしれない。
なんだか複雑な心境だ。