魔法先生ネギま! 269時間目 世界の果てまで・・・・。

いやあ、泣けるね。何がって、アリカの中にネギと同じものがあるところが。実際には逆で、ネギがそれを継いでいるという事になるはずなのだけれども。とにかく、それが二人を繋ぐ何よりも大きな証拠であり、ネギが、この二人の結婚によって授かった子供であるという「意味」は揺らがないだろう。ネギにとっても大いなる福音という訳だ。アリカが生まれでこの方十数年の長く苦しい日々から開放されたのと同じく、ネギにとっての大きな影の一つがこれで解消される事になる訳で、それだけでも大いに報われた気分になる。
ここでのアリカの反応は、どれをとってもいじらしいが、最も心に迫るのはキスをされて涙する所だろう。最も多感であろうこの年頃の少女が2年もの間幽閉され、世界の敵と責められ自らをも責め続けてきたのだ。その絶望たるや想像だに出来ない。それを耐えてきたのは、女王としてのプライドと責任だろう。その責務から解き放たれ、一人の少女としての感情を持たされたとき、幸せのキスよりも涙が上回るのは当然と言える。
この涙は、ナギとアリカ、二人の今後を象徴する。ナギはアリカの全てを共に背負うと約束した。それは、決して楽な道では無いであろう。二人がこの後、同じ道を進むパートナーになり、同じ時を過ごしたであろう事はとても喜ばしい事だが、その二人には常に大きな使命が課せられていた事だろう。そして、それが後に決定的な悲劇に繋がったのであろうことも想像できる。この幸せであろう筈のキスの瞬間すら、真の意味で悲劇から開放されていないのだ。なんとも切ない話だ。結局、この悲しみを真の意味で開放するのは、ネギの手に委ねられているように思える。
ところで、今回は新しい情報がかなり少なかったが、気になった点が一つだけ。それはアリカの父王のセリフ。「全ては儚い泡沫の夢」というもの。これは、厭世観をもつ人間誰でも言いそうではあるが、その言葉になにか具体的な意味があるかもしれない。また、少なくとも、アリカ自身はその認識には辿り着いていないようだという事は分かった。
また、超のセリフとの繋がりも気になるところだ。少し強引だが、魔法世界を「管理していた?」者の思考と、超の立場との繋がりが隠されているのかもしれない。
赤松先生は、明らかに「出題」しているように感じるなあ。もう、魔法世界の秘密に関するヒントは出ている。後は推理を巡らせてみなさい、と言われている感じがしてならない。
けれども、絶対、一番大切な所は教えていないし、最後の最後でどんでん返しを狙っているような、引っ掛けの出題方法だw。こちらも、そう簡単には回答できないなあ。

ドラマCD付き初回限定版 魔法先生ネギま!(29) ([特装版コミック])

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