〜Sphere's rings live tour 2010〜 東京国際フォーラム・ホールA

スフィアのライブへの参加は、随分と久しぶり。スフィアと名乗っての最初のライブ「スフィア 1st Stream 〜スフィアとアニメの音楽会〜」以来という事になるのだろうか。あの後、都合がつかなくて行けなかったのだが、気がついたらフォーラムに人を集めるくらいに成長していた。凄いものだ。
彼女達の実力は折り紙つき。4人ともがソロデビューしても全然OKなくらいで、実際にこのライブでソロデビューが発表になったりしている状況。もう、イケイケな感じだ。
それに、楽曲も素晴らしい。彼女達の声質はだれもがとてもクリアで、それを生かしたシャープでノリのよい曲が揃っている。勢いに乗って沢山のアニメとタイアップもしている、どれも名曲ぞろいだ。
そんな勢いがあるものだから、集まってくるファンも活きがよい。(^^;元気がよすぎて、周りに迷惑をかけるような輩も湧いて出るほどだが、実際の所、そんなカオスな状況になるライブの方が面白かったりする。気が狂っているような奴らがいてこそ、正にお祭りといった感じだ。近くにいて少し嫌な思いをしても、後で思い返すと結構面白い思い出だ。(^^)
そんな、正に「今」の空気を表すに最適なグループによるツアーライブ。充分楽しむ事が出来た。
・・・ただ、そういう勢いが凄いグループであるだけに、それを楽しむ一方、物足りない部分を考えてしまうのは、どうにも自分の性格らしい。
例えば、構成。どうして何時までもセリフパートを残しておくのだろう。声優である事を印象付ける為? 確かに、声優が声優らしさを無くしてしまうとあるとき声優ファンが離れてしまう、というのはつい先日自分も記事にしたけれども、それでも何時までも素人臭さを残しているのは良い選択とは思えない。それよりも、もっと生身のガールズトークをMCとしてしてもらった方がナンボか嬉しい。他の声優も普通にライブで成功している人は沢山いるのだし。このままでは何時まで経っても「イベント」であって「コンサート」には成り切れない。
また、セットリストの並びが悪い。これもイベント的な印象を持たせる要因。激しい曲や静かな曲をまとめるなど、ライブ全体で大きな流れが作られていない。ただ並べただけの印象。
舞台衣装も単調だった。白ばっかりで色目が無い。確かに彼女達のイメージは「白」が良く似合うが、シャープ過ぎて色気が感じられ無い。折角色つきの衣装を着ても、すぐ脱いでしまったり。これって舞台演出の人に何か拘りとかがあるのだろうか。もっと派手でドギツイ色を使った方が、所謂「萌え」的な演出になるのだが。
そして、一番気になった事は「精神的な核」が無い事。なぜスフィアの四人はこのライブをしているのかという事が明確に言語化出来ていないし、伝わってこない。もちろん、それで良いアーティストは沢山いるが、声優ライブの時にはこれがあると随分と安定する。これもまた不安材料の一つ。
最近の状況は決して楽観できない。この4月以降、世間の不況の影響が出始めたのか、どうもアニメ系ライブにも影が差してきているような気がする。勢いのあるアーティストは、裏を返すとその勢いに乗っているミーハーに担がれているという事でもある。一寸した綻びで潮が引く事も考えられなくは無い。かなり慎重に、それでいて熟慮の上には大胆に進む必要があるだろう。
ともあれ、追加公演がフォーラムからNHKホールと、人数的に縮小していたりするのも勢いを削がれる。なにより「生ける伝説」とのガチンコ勝負になるし。
なんだか、この夏一波乱がありそうで怖い。そんな事を考えさせられるライブだった。
この後ネタバレ

セットリスト

01 FutureStream
 (MC)
02 ソラソラ☆あおぞら (豊崎ソロ)
03 motto☆派手にね!(戸松ソロ)
04 shiny plus (寿ソロ)
05 わたしだけの空 (高垣ソロ)
 (寸劇:音雨高校旅行クラブ)
06 手のひらに夢
 (映像:しりとり)
07 REALOVE:REALIFE
08 らくがきDictionary
 (MC)
09 brave my heart
10 君の空が晴れるまで
 (映像:高垣誕生日サプライズビデオ)
11 PRICESS CODE
12 dangerous girls
 (MC:振付講座)
13 本当だから困るんだ
14 Super Noisy Nova
 (MC)
15 サヨナラSEE YOU
アンコール:
(MC 追加公演発表)
16 A.T.M.O.S.P.H.E.R.E

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