魔法先生ネギま! 303時間目 墓守り人の宮殿、最前線!!

本格的な戦闘はまだか。正に前哨戦というか、緊迫した展開。
夏美のアーティファクトによって究極の隠密行動ができる様になったコタロー組。だけれども、その高すぎる能力故に、最前線で最大の敵フェイトと肉薄することになる。この普通すぎる夏美のその普通さを最大限生かした特殊能力が、最も異常な立場に置かせるという皮肉。一番力の無い一般人が、敵中で最も力のあるボスと対峙する寸前。こういう展開がとことん上手いなあ。
そして、そこにコタローがいるのも良い。彼はある意味ネギと同等以上にフェイトに因縁のある存在。出会いもネギより先だし、フェイトの手先になったからこそ、今のネギと仲間になったコタローがいる。そして、なにより、ネギはフェイトをライバル視して強くなっているが、コタローとネギも互いをライバルとして競い合っていた。つまり、コタローはフェイトと戦って勝ちたいという願望というか、欲も強くもっているだろう。
そんな彼だからこそ、一か八かの賭けに出ても全然おかしくない。もちろん、それで失敗すれば、仲間も道連れにしかねない。それでもなお、目の前の「千載一遇のチャンス」に自身の力を試してみたいという欲望が抑えきれないとしても全然仕方がない。まさに緊迫の瞬間だ。
しかし、それを止めたのは彼の本能。この辺りがコタローというキャラの面白さだ。戦いや力を求める、少しアタマの軽そうなキャラなのに、結構バトルに対してはクレバーなところがある。本質的な部分を冷静に判断し、ギリギリで留まるクールさがある。これは、戦闘自体はクレバーに見えて、その実、本質的な部分で押さえのきかなくなってしまう、相棒のネギとは真逆だ。こういうキャラだからこそ、ネギの相棒として傍らにいて欲しいし、ネギの大切な仲間達を預けられる存在と言えるだろう。
そして、もう一つの局面。もともと多数の乱戦のはずなのに、既に二人きりの世界に突入している、刹那と月詠のバトル。この二人の因縁も深い。
ここ最近の木乃香とのなにやらで、月詠よりも勝る力を手に入れた刹那。それを見て更なる力を得るために月詠が取り出したのは、かの有名な妖刀「ひな」。ここまでくると、正に神鳴流の真髄というか核心に迫る戦いになってきている。片方は得体の知れない二刀流のはぐれ剣士だし、もう一人は、今でこそ長から認められつつも一族の一部からは半妖として疎まれていた存在だろう。そんな傍流同士の戦いが、正に流派極限の戦いに匹敵するであろう展開になるというのが、この戦いの面白さ。正に燃える展開だ。
それにしてもこの月詠というキャラ、一体どんな経緯でこのような存在になったのだろう。ひなを手に入れることが出来たのも何故?その底知れぬダークサイドへの落ちっぶりは、非常に魅力的。是非、彼女の事もより深く掘り下げて描いて欲しいものだ。
うーむ、次週は休みか。続きが早く読みたい。