『神のみぞ知るセカイ』中川かのんデビューイベント2010WINTER“ゆーでぃーえっくす制圧!いっくよー!” 秋葉原UDX・AKIBA_SQUARE

昔から「アイドルデビューエピソード」のアニメが好きだ。「満月をさがして」の初回とか、「GTO」のトロ子編とか、何回も見返してしまう。一つの才能が世界と繋がる瞬間のカタルシスを、とても明快に表現するからだろう。
なので、「神のぞ」の中川かのん編も大いに期待していたし、それがかなり力の入った作りだったので、大満足だった。そんな、素晴らしいエピソードを、そのままステージにするかのようなこのイベント、是非その瞬間に立ち会ってみたかった。
中川かのん役の東山奈央は、結構真面目そうな女の子。中川かのんとして、ステージでバックダンサーをつけて歌い踊る。客の盛り上げも立派なもの。言ってみれば、自分の役を認識し、それをこなす事に務めている感じだった。
けど、それが残念。
役を務めるという事と、その役を体現する事は違う。この中川かのんがデビューするイベントであるという事は、実は東山奈央のデビューイベントとしても機能すべきだったはずだ。つまり、東山自身が「アイドルの自覚」をもって臨まねばならないはず。けれども、あくまで自分は演者だという風に、東山は逃れていた。折角、歌やダンスはかなりこなしているのに、自身を語る段になると、謙虚のみが出てしまう。
それでは駄目なのだ。アイドルは自覚だ。自分が見られる存在として人からの賞賛を受け止める自覚が必要。
イベントでは、伊藤かな恵がエルシィ役として応援に駆けつけていたが、彼女の方が、当然その事を自覚しており、どうしても東山をくってしまっていた。彼女の「にいさま」はヤバイw。
中川かのんのデビューイベントとしては成功だったと思う。けれども、東山奈央の印象としてどうなのかは不明。彼女にも能力は充分ありそうだから、出来得れば認識を新たにしてもらって、もっと積極的な活動をして欲しいものだ。

神のみキャラCD.3 中川かのん starring 東山奈央

神のみキャラCD.3 中川かのん starring 東山奈央