Animelo Summer Live 2012-INFINITY∞- さいたまスーパーアリーナ

今年のアニサマは、大きな転換期となっただろう。アニサマをずっと引っ張ってきた水樹奈々とジャムプロが居ない。いままででは考えも出来なかった事だ。
この事実がどのような影響を与えていたかというと、アーティスト色の低下。アニサマは、結局のところ、最初からアニソンアーティストのタイバンライブの大型版という態で行ってきていた。出演するのは、アニソンアーティストが中心。彼等がアニソンを歌うのは当然だが、それ以外でも自身のオリジナルソング(ゲームタイアップとかも含まれただろうが)を歌うこともあった。それが許されていた。なぜならば、ここは「アーティストの集い」として設定されているのだから、それが当然だった。
しかし、何時しか、観客から本当に求められているものが何かという、ジレンマにぶつかっていたように思う。
あまり良く知らない「アニメ関連楽曲」が聞きたくて、アニサマに参加しているのでは無い。よく知っていて、皆で共有できる「アニメソング」が聴きたいからこそ、アニサマに参加しているはずだ。
ジャムプロがどんなに力のある存在でも、その新曲がアニソンでなければ、新曲の披露の喜びが霞んでしまう。それは水樹奈々のオリジナル楽曲でも同じ。そりゃ、アニメファンならば水樹奈々の楽曲全部ぐらい押さえるのは当然という見方もあるかもしれないけれども、それは違うと思う人も当然居るはずだ。
「アニソンはアニソンだからアニソンなのだ。」
頭の悪い言い回しだが、そのような「当たり前」が歪められていたかのような状況が、昨年までのアニサマにあった様に思う。
だからこそ、水樹奈々とジャムプロの撤退は有る意味正しかったといえる。それによって得られた効果は、「アニソン純度の向上」。基本はやはりアニソンとして、アニソンアーティストであっても、アニソンとして有名どころしか歌わない感じで、実に密度の濃いアニソンライブになっていた。
逆に、アニメのキャラクターボイスとして、アニメ世界により深い係わりの有る声優の出演者については、オリジナルソングが許されて居たり。アニメキャラのヨリシロとしての声優のオリジナルソング。これについては、その声優が声優としての活動に大きな価値の有る場合には、断然有りだろう。アニメにおいては声優という存在自体にこそ価値有る場合も有るのだから。
この日スペシャルゲストとして登場したのは森口博子。彼女のガンダム楽曲がこういう正式の場で大々的に披露されるのは、なんだか感慨深いものがある。TGSの小さなブースで雑音に紛れて歌っていてのを聞いたくらいだからなあ。そこからも既に5年過ぎているし。
また、やはりゆいかおりStylipSにはおめでとうと言いたい。彼女達がこのような舞台に立てる日が来る事を以前から夢見つつも、こんなに早く来るとは思っていなかったので、感慨無量。しかし、彼女達はこれからの存在でもあるので、この経験を活かして、いかにこれからの活動が充実させていくか、大いに期待したいところだ。
そして、田村ゆかり姫にはトリを勤めて、ご苦労様。姫が始めてアニサマに登場した時は、本人にして「場違い」というトークをしていたけれども、実際には、姫の親衛隊はSSAを占領するくらい存在するし、そのようゆかり王国の存在も、アニメ業界では当たり前の事実として受け止められているはず。正に、フェイトでなくても友達のなのはが、最大限の火力をもってアニサマをピンクに染め上げ、制圧していた。
今回のアニサマは、以前より増してよりよいイベントに進化していたと思う。