UQ HOLDER! Stage.3

そうか、エヴァが居る限り、戦力最大だからバトルものが出来ないのか。こんな当たり前の事に気づいてなかったw。
そうなると、不死者が旅の途中出会う生者と関わりを通じて、不死がどういうものかを、逆に生とは何かを認識していくロードムービー的な感じになるのかな。
前回、刀太が感情移入出来ない主人公だと言ったけれども、やはり、彼の性格はかなり不安定に思える。というのも、それなりに慎重で物を考える性格だよね、彼。
エヴァから忠告されると、ちゃんと考えてその上で理由を付けて否定するし、その後その忠告をしっかり考え続けているし。なんだか無駄にテンション高いバカ熱血なそぶりを見せているけれども、内面は全然そうじゃない。普段から物を考え続けているけど、あえてバカ熱血のふりをしているとしか思えない。
改めて、前回の構成を考えてみたのだけれども、あれって刀太というキャラを説明するものだったはず。しかし、それが上手くいっていない。
彼は「でっかいこと」という非常に抽象的な、ある意味いい加減な夢だけで冒険を始めるのだけれども、これについては、実は立派な理由がある。つまり、彼は記憶喪失者であり、それを埋める為に、若しくは仲間と同等な存在で居たいが為に、仲間たち以上の夢を探しているからということ。これは、1話の中である程度語られている。
しかし、その考えそのものをエヴァに伝えていないので、まともに取り合ってもらえない。これは、刀太が自分の心境をエヴァに小出しにしているから生まれる齟齬であり、そのエヴァの感覚は読者にも伝わってしまい、彼が何者なのかを誤認させかねない。1話のシーンを思い返して彼を考察しないと良く判らない様になっていると言えるだろう。結局、なんだか面倒臭い性格の主人公だ。たった一言「俺、記憶喪失だったから、これからでっかい夢見つけるんだ」と云わせればよかったのに。
しかし、この物語が不死者の苦悩を描く物語だとするならば、ある程度得心が行く。このくらい面倒臭い性格じゃないと、そういった重い物語は背負えないから。
とは言え、もしそうなら、この物語はこの主人公の性格の様に裏表のある物語ということになり、読者を戸惑わせることになるんじゃないかな。
まだまだ方向性が判らない物語だ。