「恋愛ラボ」イベント『私立藤崎女子中学"大"文化祭!』 ラフォーレミュージアム六本木

恋愛ラボは、実に出来の良い作品だ。最初はキレのあるコメディを含んだゆるふわ系の萌えよんとして、それが結構シリアスな展開を含んだ上質なラブコメにシフトしていく。萌えよんの筈なのに、かなりしっかりしたストーリーを含んでいて見ごたえがある。
しかし、良い作品ほど落とし穴がある。こういうしっかりした作品は、その構造の強固さが逆に物語の重さになる。つまり、気楽に見られない雰囲気を作り出す。作品に嵌れば実に良いものなのだけれども、軽く楽しみたい者からするとついて行き辛くなる。そこに、その作品だけの「突き抜けた何か」が無い限り、爆発的なヒットになるか、そこそこ良い作品と知られるだけになるかのどちらかになる。
恋愛ラボの場合、原作上これから単純な萌えよんから離脱し、本格的なラブコメに移行する。それを受け手がどう感じるかという一歩前、正に始まったばかりで終わってしまった印象だ。
今までの価値観では、ゆるふわの萌えよんこそが価値が有り、壁ドンリア充展開になればどうなるか分からないという世相wだったけれども、その展開こそ今の世相にぶつけてみてみたいと考えている。
つまり、今、ここで終わるには恋愛ラボは実に惜しい作品と思っている。
それだけに、その作品の一つ区切りとなるこのイベントには興味があった。是非参加したいと思っていた。また、この作品のキャストにしても、今活きの良い実力派ばかりという印象で、その点からも参加「しなくてはいけない」という意識すら感じていた。
内容としては、各コーナーは学園祭の出し物という名目であり、参加者も全て学生コスプレ。これが実に目に嬉しい(^^)。というかスカートも短いから、バタバタよく動くあやねるとか目のやりどころに少し困るw。
キャラ作りセリフコーナーとか、いのりんの男子生徒問い詰め(男性陣とのトーク)コーナーとか、新聞部による、スタッフからのアフレコ現場話密告コーナーとか。驚くべきことに、全てのキャストが個性的でトークが面白い。ステージにトークの乱れを作るは、そのキャラの松岡君ぐらいw。水瀬いのりとか、若いのにやはり芸能人としての純度が高い。
また、アイカツファンとして秋奈に注目していたのだけれども、予想の遥か斜め上空を行くキャラを見せつけていた。凄い。スーパー若手声優のりなっちとは正に凸凹コンビだった。
ライブコーナーでは、もちろんOP・EDの披露もあり。ここで、一寸したアクシデントとして桃邪気「演出」が発生し、正に学園祭な雰囲気になったりw。
生アテドラマも披露され、ここでも学園祭らしく「新解釈シンデレラ」とか。
最後の挨拶で、〆のぬーさまが涙ぐんだりすると、これはもう作品内でもぼろぼろに泣いたワキと重なって、イベントと作品が一体化してくる。
こうなると、本当にこういった学生生活的なものを、作品上でももっと見たかったという想いはより強まってくる。この作品が好きで、この場に居れたという純粋な喜びと共に、激しい「次」に対する渇望が沸いてきて、困った。
やはり、この作品は勿体ない。このままでは済ませず、どうにか次に繋いでいって欲しいものだ。そう強く思えるイベントだった。