ANIMAX MUSIX 2012 横浜アリーナ

今、アニメ業界はイベント興行が活況を呈しているけれども、それだけに、それを受け止めるファンとして何を選択するかに頭を悩ましてしまう。本当に、嬉しい悲鳴だ。
私のアニメイベントへの判断基準は、いかにアニメ世界に連れて行ってくれるか。好きなアニメの世界観に近づけるのが一番であり、逆に言うと、ただ楽しいだけでは重要度は薄い。
もし、声優が出るのであれば、その声優こそがキャラの依代なのだから、それだけで参加するに値するし、作り手のトークイベントなども、作品世界を語ってくれるのであれば、例え地味でも嬉しいものだ。
ところが、アニソンライブは判断に迷う。その楽曲がアニメを表現してくれていると思えるものであればライブで聞きたいと思うし、逆に取ってつけたタイアップだと思っている楽曲は、はっきり言って興味がない。例えライブとして楽しくても、それだけでは意味が無い。そこには、セットリストの出来によって価値が見出せるかどうかかの「賭け」が存在してしまう。
ANIMAX MUSIX は、そんなアニソンライブの一つだった。基本的にアニソンアーティストしか出ず、その選曲が主催者の都合で決められているかもしれない可能性があれば、参加する意味を見いだせない。その点、アニサマは最初から水樹奈々に引っかかって参加出来ていたのだけれども。
しかし、アニマニも少しずつ変わり始めているかもしれない。やはり、アニソンライブの間違いのない主役は声優アーティストだと言う事。その認識がアニマニにも届き始めている気がする。それは、毎年少しずつ増え続ける声優アーティスト率からも明らかだ。
そうなると、アニマニにはアニサマよりも有利な点が見出せてくる。その利点は、アニメチャンネルとして、アニメ映像を積極的にライブに取り入れていること。
アニマニはアニメ映像をステージのバックスクリーン演出して使用する。アニソンは、元々アニメ映像の上に載っているものだ。この演出こそ、実はアニメライブにおける最も正しい、行うべきやり方だろう。
しかし、それを実行するのは実際にはかなり難しいようだ。アニメ映像は利権の塊らしい。製作委員会とかが関わっているし。アニサマは実際に使用していないが、だからこそそのライブ映像をソフトとして販売もしやすいのだろう。逆に、アニマニはアニメ映像を積極的に流し、あまり歌われないキャラソンやコラボやカバーも行う。これは、使用をライブ内、および有料放送内に限定しているからこそ行えることなのかも。
アニサマは誰もが知っているアニソンや人気のアイドル声優の歌声を大々的に聞ける場を提供しているが、その分、レア度が徐々に落ちつつある。しかし、アニマニはその場でしか出来ないコラボやカバーや演出を積極的にやることによって、その一瞬しか体験できない場を作り出している。
そして、その出演者に大きな差がなくなりつつあるとすれば、どうだろう。アニサマよりも、アニマニこそが価値のあるアニソンライブとなるかもしれない。おそらく、アニマニはアニサマを追い掛ける立場のアニソンフェスだと思うのだけれども、その戦いが白熱している渦中にて、とても楽しい思いをさせてもらっているのだと思う。
前置きがとても長くなったがw、実に楽しいイベントだった。
残念だったのはこちらの参加状況で、個人的に忙しくてフルタイムで参加出来ていないこと。こうなると、アニサマよりも取り返しのきかないアニマニは本当に貴重に思えてくる。難しいのは分かっているけれども、出来るだけフルで映像化をして欲しいものだ。