「寄生獣 セイの格率」最終話先行上映会&トークショー シネマート新宿 スクリーン1

ぶっちゃけて言うと、基本的に声オタでアイカツファンなものだから、登壇者に安野希世乃の名があったのがこのイベントに参加したいと思った最初の動機。さくらちゃんの声優さんに会ってみたかった。
しかし実際には、このアニメ寄生獣は元々原作の大ファンで、それが実に丁寧にアニメ化されていたものだから毎週欠かさずほぼリアルタイムで見ていた数少ない作品だったりもしたので、そのスタッフの話を聴いてみたいという思いが強くあった。
こういう上映会のトークショーは結構さらりと流されるものが多いのだけれども、このイベントではかなりしっかりトークをしてくれて実にありがたかった。登壇していた監督、キャラデザの原作に対する思いがひしひしと伝わってきた。実際にただ思いがあるだけでは無く、かなり深く作品について思考を廻らしていて、哲学的な面から作画的演出的な面まで出来うる限りの思考と技巧を凝らして作られた作品であることが読み取れた。そして、キャストについても作品作りに深く入っていた様子が語られていたり。これら作り手の技能の積み重ねはアニメを見てみれば一目瞭然なのだけれども、やはりそれを改めて本人たちの口から聞かせてもらえるのはこういったイベントの醍醐味だ。実に嬉しい時間だった。
ただ、少しだけ気になることがあった。それは監督の口が重い事。そして、もしかしたらと思って調べてみたら、やはり…。丁度このイベントの少し前に最初のBOXが発売になっていたのだけれども、その売り上げが思わしくないらしい。これでは監督が良い作品を作ったといって喜べる状況ではないだろう。
なんとも残念な事だ。この作品自体は名作と言える出来だと思うのに、作品の売れ行きが悪いとは。思うにこの作品は展開が悪いと思う。同時期に実写版をやっていて、それにかなり客を持っていかれているはず。スプラッタ的な映像は実写の方がインパクトがあるし、映画は2時間×2程度のコンパクトにまとめられてお気楽さもある。薄っぺらい客はそちらに流れてしまうだろう。
しかし、この作品は今後何度でも振り返って名作として評価され続ける作品に成っていると思う。映画版がテレビ放映されて皆がうんざりしたころ辺りからより評価も高まるんじゃないかな。
この上映会において監督達とこの作品を共有した事は、アニメオタクとして喜ばしい事だと思っている。

寄生獣 セイの格率 Blu-ray BOX I

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