「アブソリュート・デュオ」感謝祭≪サンクスギビング≫ ニッショーホール

アブソリュート・デュオという作品には色々考えさせられた。物語の出来は悪く無い。アニメの出来も、作画的な息切れも少し有ったが全体的には悪く無い。ヒロインも魅力的だし声優も良い。楽曲も良いし、声優を使ったED展開も積極的だ。さらにはその声優による無料イベントを毎週実施してくれていて、それもニコ生配信までしてくれていて、オタクファンとの親和性も高い。少なくとも、このコンテンツとして出来る事を全部やっているという印象がある。
それくらい力が入っているコンテンツだと思うのだけれども・・・、最終的にはヒットに結び付いていない。それは何故なのか。
一つには、もういい加減食傷も極限にまで来ているであろうオタク的異能バトルものとして、引っかかる特徴が無かったということがあるのだろう。どんなに良いモノをつくったとしても、同じ味のものを満腹な状態では食べる気にはならない。
それでも、声優込みイベント込みの魅力を作り出せれば良いし、その展開を狙っていたとは思うのだけれども、それもあまり上手くいかなかった。少しシビアな話になるけれども、やはりイベントでも素のまま人を呼べる声優、コンテンツとの組み合わせによって魅力が出る声優とかが、どうしてもある。あともう一歩、カリスマ性のある声優がメインにいれば違った展開になっていたのかもしれない。
これらは全て蒙昧で勝手な私のゴタクであり、どの部分が良くてどの部分が足りなかったのかも本当は分からないのだけれども。
ともあれ、内容的には好きな作品。ヒロインのユリエに至っては今期最大の萌えキャラだと断言したいくらい。鈴木このみのOPも素晴らしいし、毎週あったイベントにおけるキャストの頑張りも好ましくて、二回ばかり参加していて親近感もある。その集大成的なイベントなので、馳せ参じるのは当然のこと。
イベントとしては、トーク有りゲーム有りライブ有りの実に正統な構成。そして、基本的には松岡君が弄られる展開で超盛り上がっていた。こういったイベントを見ていると、各ゲストの立ち場みたいなものも見えてくるものなんだけれども、ある意味、松岡君頼みのイベントだと誰もが認識しているみたいな感じだった。そして、その松岡君よりも上位存在のゲストとしてこのみんが呼ばれているような。ある意味ヒロインの声優さん達が、最も自分達の力が足りていないと認識しているようでもあり、それは少し寂しかった。いや、彼女達ヒロインがあってこその作品だし、もっと自分達の魅力を信じて、それをメインにした展開が欲しかったよ。アイドルは自覚であり、ヒロインも自覚。それはこういったイベントにおいても同様だ。
どうにか彼女達の次の展開を見てみたいものだ。