劇団ヘロヘロQカムパニー第31回公演「怪盗不思議紳士 twice」 シアターサンモール

ヘロQ公演には何回か参加したことがある。能登麻美子とか沢城みゆきとか、その声を聴くだけでも嬉しい声優を呼んで舞台を作ってくれるので。今回のお目当ては戸松遥釘宮理恵。実際には、あと一人大物声優として置鮎龍太郎が入りその三人が揃う公演こそが最も見どころなのだろうけれども、それは売り切れてしまっていた。残念。
しかし、私としては戸松遥釘宮理恵が居てくれるだけでも十分豪華。どの程度の役どころなのかと思っていてたら、ハルカスは主演関智一の次に物語を回す、準主役の役どころだし、くぎゅもヒロイン役としてこれまたメイン。
ハルカスの役は男の子役で、物語の中で苦悩して最後には号泣して物語を〆るという、かなりカロリーの高い役どころ。くぎゅは主役に恋する押しかけ妻的な役でヤキモチを焼いたり恋心で暴走したりとコミカル&キュートな演技で客席をメロメロにしていた。二人とも見どころ聴きどころ満載で、実に満足出来る劇だった。
物語は江戸川乱歩の怪人20面相の世界観で、しかし探偵側、怪盗側のキャラクター共に仕掛けがあって一筋縄ではいかない展開になる話。実際のところ少し込み入り過ぎていて、最後の結末の解釈が少し曖昧になっているくらい。我孫子武丸が脚本らしいけれども、これはもう少し整理して欲しい感じだよなあ。
ともあれ、推理あり冒険ありラブコメあり人生訓ありの物語でとても楽しめた。