エンカレッジプレゼンツvol.24「アニメ講義7時限目(課外授業) スタッフだらけの座談会〜えとたまができるまで〜」阿佐ヶ谷ロフト

えとたまという作品は、世間ではどういった評価を受けているのだろう。
BDの売上数を見た限り、必ずしも売れているとは言えない。実際、内容的にも実に前時代的な「昔懐かし萌えアニメ」と言った作品だろう。
古臭い萌えアニメとして誰からも見向きもされなかった作品?
いや、違う。何故だか作り手はこういった状況になる事を初めから承知の上で作っていて、ある意味開き直り、自分の好きなように作ったと豪語している。
そして、受け手も、妙に熱いテンションでこの作品について良い点を語り合うファンが付いている。
この手の作品の受け手のパイはもしかしたら少し前に比べて更に限定されて、数が減ってしまっているのかもしれないが、実際には、作品の魅力にとりつかれてグッズを買い漁ったりする濃いファンは昔のまま残っていて、そんなコアファンがこういった作品を買い支えているのかもしれない。
イベント内容としては、作り手側の裏話のオンパレード。如何に非効率な拘りで作ったかを自慢し合う、オタクバカ自慢大会みたいな様相を呈していた。それを聞いてファンも、やはりそうだったかと大笑いしつつ、嬉しくなるという感じ。
そうなんだよ。アニオタの自慢話って、シャープに得して如何に上手くやり過ごしたかじゃない。自分の中の無駄な拘りで如何に楽しい苦労したかを自慢し合うものなんだよ。世間には一般層にまで受けて大きな儲けを出した作品こそ全て、みたいな風潮があるように思うけれども、アニオタとしたらそんな事は「クソくらえ」w。自分達が何となく心地よいと感じる、無駄だけで作られているような作品こそが、オタク的至高の作品だと断言できる。
こういったロフトイベントこそ、そのような仲間たちが集い、その自分達だけが理解する魅力的な作品を愛でて喜び合う場所と言えるだろう。ある意味、萌えヲタとしての最も濃い世界、それこそがこういったイベントの会場といえるのかもしれない。